イタリア『RAIスポーツ』のディレクター、エウジェニオ・デ・パオリ氏は、「スタディオ・スプリント」や「90° Minuto」、「ドメニカ・スポルティーヴァ」といったスポーツ番組の中で、判定の是非を問う問題シーンのリプレイ映像を流すことを中止すると決定した。

AIA(イタリア審判協会)のマルチェッロ・ニッキ会長は、次のように決定を喜んでいる。

「テクニカルな視点により機会を与えるアイディアで、こうすることにより、リプレイ映像をめぐってスポーツバールで繰り広げられる議論から生まれる騒動を避けることができる。それらは審判たちや若手選手たちの成長にとって有害なものだったんだ。AIAはこの文化的な改革案に貢献する用意がある」

一方、パレルモのマウリツィオ・ザンパリーニ会長は「私には興味のないことだ。だが、『RAI』がそう決めたとしたら、競合者を喜ばせることになるだろう」とコメント。『メディアセット・プレミアム』の有名スポーツジャーナリストであるサンドロ・ピッチニーニ氏は、「リプレイ映像を悪魔呼ばわりするのは、反歴史的な決定だ」と厳しく批判している。

リプレイ映像を使って判定の是非を問うことに反対していたUEFAのピエルルイジ・コッリーナ審判委員長は、『RAI』の決定に賛辞を送っている。

「サッカーの話を耳にすることへの喜びを取り戻すだろう。テレビのような媒体は、サッカー文化に大きく影響する。目的が、審判について話すのを避けることであってはいけない。そうではなく、騒動を生むようなエピソードを目立たせようとすることを避けなければいけないのだ」