アフリカを訪れたとき、どうしても移動に必要なのが電車やバスなどの交通機関。ただし、この国では気軽に利用できるという雰囲気ではない。政府が現在もっとも懸念しているのがワールドカップ開催中の交通手段だ。

街中の気軽な移動手段というと、「ミニバスタクシー」。これはある程度決められたルートを走るバンに、好きなところで乗って、好きなところで降りるというもの。値段も他の交通手段に比べると安く、市民の主要交通手段となっている。一方、ミニバスの問題点はというと、運転が荒く死亡事故を起こすことが多々あるという点、そして、縄張り争いが激しく、時には銃撃戦になるという点だ。先週も、2日間でミニバス関連の事故が2件発生し、計24人が死亡した。急な車線変更や異常なスピードで走ることが主な原因だ。およそ10人乗りのバンに、ひどいときは20人乗せたりする強引なミニバスもある。

ワールドカップ開催にむけて、政府が発表した「高速バス(bus-rapid transit)システム」はミニバス運転手に大きな打撃を与えている。この高速バスシステムは、通常の大型バスがバス専用道路を走り、バス停ごとに停車するというもの。バス専用道路を走るので、渋滞を避けられるのがメリットといえる。

もちろん高速バスシステムの登場で生計が危ぶまれるミニバスタクシー運転手たちは怒りをあらわにしている。今月23日もこの高速バスシステムに対抗するべく、152のミニバスタクシー協会がストライキを起こしている。現在のところ道をふさいだり、タイヤに火をつけるなどといった過激な行動は見せていない。ストライキは1日のみ、市民にミニバスタクシーのありがたみをわかってもらいたいための行為だという。

安全面という点では高速バスシステムが採用されるべきだが、アパルトヘイト時代に黒人が考え出したミニバスタクシーのシステムにもそれなりに意地があるだろう。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)

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