1978年からアメリカに住むスリランカ出身のネサン・シンナドゥライさん(62)は、31年前から欠かさずアーセナルのホームゲームを現地で観戦している。すでに獲得マイルが600万マイルにまで達したというシンナドゥライさんは、自らのハートのチームを応援するために、これまで66万ユーロ(約8866万円)ものお金を投じてきたそうだ。1年間で2万3000ユーロ(約302万円)という計算である。

ジョージア州コロンバスに住むシンナドゥライさんは、毎週金曜の朝5時に起床し、アタランタ空港からヒューストンへと飛んだあと、ロンドンのヒースロー空港へ。翌土曜に到着すると、そこから電車で孫の住むウィンブルドンへ移動して試合を観戦している。翌日曜も再び朝5時30分に起き、試合終了から30時間後にはアメリカの自宅に到着しているそうだ。

シンナドゥライさんは英『デイリー・エクスプレス』に対し、次のように語っている。

「妻や兄弟姉妹、友達からすれば、自分がクレイジーだってのは分かっている。でも、私にとっては価値のあることなんだ。アーセナルの試合は世界で最も大事なことだからね」

アーセナルに情熱を注ぐうえで、シンナドゥライさんが失ったのは、お金だけではない。去年、彼はあまりに何度も仕事を休むからと解雇されているのだ。また、自宅とその周辺の土地まで失っている。

すべては1966年、スリランカからロンドンへやって来た時に始まった。アーセナルの旧本拠地ハイバリーの近くに居を構えたシンナドゥライさんは、翌年から観戦に行くようになり、その魅力的な雰囲気のとりこになってしまった。それから12年間のロンドン生活で、ハイバリーに通い続けたシンナドゥライさんは、あやうく子供の出産立ち会いを逃しそうなこともあったという。

大西洋を隔てたアメリカに住むようになった今も、シンナドゥライさんはまったく同じようにアーセナルを応援し続けている。

「アーセナルこそ私の世界なんだ。チームのためなら、私は本当にどんなことだってするよ」