ヨルダンのクラブチームを率いながら、兼任で母国代表監督を引き受けたアドナン・ハマド新イラク代表監督。2010年W杯南アフリカ大会出場へ執念をにじませる。

「(イラク戦争のせいで)代表は練習のためにモロッコやアラブ首長国連邦まで行く羽目になっている。今後は私のクラブがあるヨルダンで練習を重ねることになるだろう。バグダッドからも適度な距離だし、今や代表選手のほとんどは国外でプレーしている」

 前任者が解任された理由は政治的なものではない、と前置きしつつ「日陰でも気温40度を越す中で走らせるだけの練習メニューなど、この地域の気候をきちんと考慮しなかった。ブラジル流に、リズムを持ったプレーを心がけるべきだ」と自らのチーム作りを語る。かつて夢舞台への道を閉ざされた名ストライカーは、四半世紀越しのリベンジへ牙を研いでいる。

「イタリアへ行き、クーペルとカペッロの戦術を学んだ。私のフォーメーションは4-4-2だ。1トップのサッカーなど考えたこともない。
 2010年大会にはもちろん行く。アジア王者はわれわれだ。この予選を落とせるわけがない」