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発売直前の『プレイステーション3』用ゲームソフト『ロスト プラネット エクストリーム コンディション』の開発者にインタビュー!2月21日に発売が迫っており開発が大阪にあるにもかかわらず、わざわざ都内にまでお越し頂いたのだ。
この日インタビューに応じていただいたのは、株式会社カプコンの開発統括本部 CS開発統括 編成部長の竹内潤氏だ。
今回は開発秘話から映像美の秘密まで聞き出すことに成功。また『ロスト プラネット』だけでなく開発が心配されていた『バイオハザード5』の進行具合も聞けたぞ。


■綺麗な映像の秘密は?
竹内 『ロスト プラネット エクストリーム コンディション』(プレイステーション3版)の発売をお待たせした感じで。
記者 まだ遊べてないユーザーがいるかと思うんですけど。
竹内 「1年前のタイトルでしょ」って受け取られがちですけど、まだまだ1年経ってもこのクォリティのゲームは世の中にはそう無いぞと。トレイラーやデモをご覧いただければ納得していただけると思います。
記者 実際遊んだことあるんですけど(Xbox 360版)このグラフィックをみて『Xbox 360』本体を買ったくらいの衝撃でしたね。本当に惚れ込みました。
竹内 ありがとう御座います(笑)。
記者 この綺麗な映像には秘密があると思って調べていたら『MTフレームワーク』というカプコン自社製の“ミドルウェア”が存在しているらしくそれのおかげで実現できたくらい凄いものらしいとか……。
竹内 社内の方でいろいろ研究しておりまして、どうしても日本のエンジンで「コレ!」というのがなく海外だと『Unrealエンジン』とかあってそういったものも使ってみようかという話も社内であったんですが、「カプコンの作り方」というのがありましてそれに即したエンジンを自前で作ろうということになり何年か掛けて作ったものが『MTフレームワーク』になるんですね。 構想自体は『鬼武者3』くらいの頃からですね。
記者 そんな前からですか。
竹内 そうなんですよー。この『MTフレームワーク』は『ロスト プラネット』だけではなく特にですね次世代機タイトル全般に対して使っていきたいエンジンですね。
記者 もしも他社が使いたいと言ったらどうします?
竹内 うちはそういう話を頂いても「いや、やめて下さい!」というつもりはないのでご一緒できるのであれば是非。いかんせんプログラマーって自分の方言が強いみたいなところがあるみたいで、『MTフレームワーク』はカプコンの方言になっているので「それでも良し!」という方がいましたら是非。ただ販売のつもりはなく売ってどうこうというものではないなと思ってますね。
記者 「この『MTフレームワーク』を使いこなせてみるプログラマーいませんか!」募集しちゃうとか。
記者 でもこれはもの凄い技術だと思いますよ。
竹内 なかなか他社からは高い評価を得て居るんですよ。
記者 挙動自体も凄いですからね。
竹内 物理エンジンは『Havok』(ハボック)さんのエンジンを使ってるんですが、よ。それ以外のアニメーション部分は全て自前でやらせて貰ってます。開発する側からすると、なかなか便利なツールになっているらしいです(笑)。
デザイナーにも意見求めつつ作っているエンジンなので、デザイナーにも使いやすいと好評です。


■『MTフレームワーク』を使った別タイトルは? 次回作や『バイオハザード5』も……
記者 自社内で『MTフレームワーク』を使った別タイトルが出る予定は?
竹内 出ます。1月31日に今度発売になるした『デビル メイ クライ 4』。これも同じエンジンを使ってますね。
記者 ということはグラフィックも期待できる?
竹内 もちろん期待できます。“次世代エンターテイメント”っていうコピーがついてます。
記者 次世代エンターテイメント?
竹内 次世代のエンターテイメントとして確率しているってことです。
記者 そういった『MTフレームワーク』エンジンを使ったタイトルは今後もでるんですかね。
竹内 『デッドライジング』が皮切りになりましたけど1月に発売した『デビル メイ クライ 4』、次に『ロスト プラネット エクストリーム コンディション』もありますし、あと『バイオハザード5』これかなりお待たせしちゃいました。これも『MTフレームワーク』で開発してます。
記者 『MTフレームワーク』の技術者採用募集してるときに「来てくれないとバイオ5が完成しない恐れがあります」って書かれていましたねきましたね。
竹内 あの募集広告も非常に話題になりましたね。
記者 ちゃんとでます?
竹内 でます!!!
記者 『バイオハザード4』のグラフィックも一気に進化して大好きなタイトルなんですよ。
竹内 当時、三上ディレクターでやっておりましてバイオハザードのイメージを壊すことなくあそこまでリニューアルをできたっていうのはちょっとゲーム業界では例が無いパターンだなと。
記者 あれは良い意味での大冒険の成功だと思います。
竹内 凄いことやっちゃったなと。おかげで5作目が大変だなと……。
記者 もっと大冒険してください。
竹内 いったんあそこまで作ったものだからあんまり大冒険を繰り返すのもね。とはいえ、バイオですからそれなりには驚いてもらえるかも。現在鋭意開発中でありまして非常に良いものになってますので。
記者 この『ロスト プラネット』の次回作とかは?
竹内 そうですね、ご要望を沢山頂いていてうちとしてもなんか考えていかないととは思ってます。でも具体的なことはまだまだ話せる段階じゃないですね。とりあえずまずは2月21日発売のプレイステーション3版で是非遊んでいただきたいです。こういった『FPS』『TPS』ゲームって敷居が高そうで触ってない人も多いかと思うんですが『ロスト プラネット』は凄く日本のユーザーに向いたゲームになっています。日本の開発が作っているものなので。『プレイステーション3』ユーザーからも次回作のご要望いただければ嬉しいなと思います。
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▲こちら期待される『バイオハザード5』だ。


■開発の際に苦労した点 「他社のゲームを参考にしました」
記者 開発の際に苦労した点とかありますか?
竹内 『ロスト プラネット』の場合はグラフィックも最初は相当苦労したんですが、ゲームシステムの部分ですね。16人で対戦するっていうゲーム開発の経験が無くイチからのスタートだったので非常に苦労しました。ありとあらゆる対戦ゲームを開発で遊んでました。面白いゲームだとハマっちゃって開発が止まっちゃうんですよ(笑)。参考じゃなくてずーっと遊んでる。『HALO』(ヘイロー)はやっぱり参考になりましたね。最初はそれが成功するっていう空気じゃなかったので社内で「冒険しすぎじゃないのか」とか言われたり「そんなゲーム売れるのか」って言われたり。
記者 これ個人的には凄く評価してます。 周りのみんなも遊んだ人は評判良いんですよね。
竹内 敬遠されがちなジャンルなんですけど、ジャンルの内の一つなんですよね。バイオハザードも4作目からは『TPS』になってますし。ドラマも濃厚にできてるんですよ。

「ただ撃ってやっつけるゲームでしょ」

ってそんなわけない。実は凄い濃厚なドラマがあって日本人も十分に堪能できるゲームなんだから。
記者 このゲームボス戦が好きなんですよ。
竹内 結構オーソドックスなゲームになってますね。
記者 ミドリメのステージのが大好きですね。あそこのボスを倒すアルゴリズムがいい感じ。苦戦したんですけど倒したときは凄い達成感。
竹内 すっごいでかいでしょ。ボス。
記者 でかいですね。上を見上げるくらい。ザコも十分でかいんですけどボスがそれ以上に大きくてビックリしました。
竹内 “でかさのインフレゲーム”ですから。次世代機ならではですね。なかなか現行機(PS2、GC)ではでかさのインフレゲームは作れなかったですし出そうとしてもフィールドがないとだめ。
記者 そういえば『デビル メイ クライ 4』の敵も大きいですね。
竹内 大きいです。やっぱりフィールドを広く取れますからね。
記者 じゃあこの『MTフレームワーク』を使ったゲームはでかいキャラばかり?
竹内 とは限らない(笑)。もの凄くミニマムなものが出るゲームもあるかもしれない。
記者 まだ『Xbox 360』と『プレイステーション3』を所有しているユーザーはそんなにいないと思うんですよ。初めて触った人は凄い衝撃を受けると思います。
竹内 是非触って欲しいですね。怪獣とロボットアニメで育った世代なんですよ。僕37歳で。そういう人間からするとこのような表現ができるようになったって、なんかそれだけでもうワクワクしちゃう。今、次世代機買われてる方って30代前後の方が多いと思うんです。そういう方に遊んで欲しいタイトルです。


■追加要素 「デッドライジングのキャラクターも登場します」
記者 今回の『プレイステーション3』版『ロスト プラネット エクストリーム コンディション』は追加された要素があると聞いたのですが。
竹内 『Xbox 360』版と『プレイステーション3』版の間にPC版が出てましてそこで追加のおまけ要素を入れたのですが、それが入ってます。“ロスト プラネット完全版”みたいな感じで。『デッドライジング』のおまけキャラクターが参戦してたりとかバラエティー感も出てます。
記者 写真は撮れるんですか?
竹内 写真は残念ながら撮れないです(笑)。ただね、何故か雪景色でパンツ一丁で走り回る。こんなことしたら『デッドライジング』のディレクターに怒られるかなと思ったんだけど、「いいよー!」ってOKしてくれて「『デッドライジング』が有名になるならどんどん出して!」ってなっちゃいまして。
竹内 あと今回Blu-ray(ブルーレイ)ディスクなのでワンディスクに追加コンテンツ(マップ)も入ってます。 やっぱり16人オンライン対戦の楽しさを味わって欲しいですね。
記者 発売楽しみにしています。 うちの会社(ライブドア)で流行らさないと。


■最後にひとこと
竹内 一年間お待たせしただけの価値があるゲームです。次世代機の世界を体験していただけたらなと思ってます。
記者 本日はありがとう御座いました。

と、以上で『ロスト プラネット』のインタビューは終わったのだがその後もサバイバルの話や、プラモの話など話は絶えなかった。もしかしたら『ロスト プラネット』制作チームとライブドアでサバイバルゲーム対決が実現するかも!?


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ロスト プラネット エクストリーム コンディション
発売日:2008年2月21日(木曜日)
希望小売価格:5,990(税込6,290円)
公式サイトhttp://www.capcom.co.jp/lostplanet/


PS3『ロスト プラネット エクストリーム コンディション』
Character Wayne by (c)Lee Byung Hun/BH Entertainment CO., LTD,
(c)CAPCOM CO., LTD. 2006, 2008 ALL RIGHTS RESERVED.

PS3/Xbox 360/PC『デビル メイ クライ 4』
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PS3/Xbox 360/PC『バイオハザード 5』
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<用語>
MTフレームワーク:カプコンが開発した自社開発エンジン。主に映像を描画するためのもの。
エンジン:ソフトウェアの基礎部分(コンポーネント)になる。今回は『MTフレームワーク』がそれに当たる。
Havok:物理エンジンを開発した会社。多くのゲームがここの物理エンジンを採用している。『ロスト プラネット』だけでなく『BIOSHOCK』、『HALO2』、『ハーフライフ2』などが採用。2007年にインテル傘下になった。
FPS:ファースト・パーソン・シューターの略。一人称視点で進められるゲームのことを指す。海外で人気のジャンルとして確立している。
TPS:サード・パーソン・シューターの略。三人称視点(主人公が見えている視点)で進められるゲームのことを指す。『ロスト プラネット』はこれに該当する。

(記者:高橋KEN)


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