第89回全国高校野球選手権大会は17日、10日目の試合を阪神甲子園球場で行う。長崎日大(長崎)-京都外大西(京都)、開星(島根)-楊志館(大分)、常葉菊川(静岡)-日南学園(宮崎)、前橋商(群馬)-佐賀北(佐賀)の全4試合。

[第1試合] 長崎日大(長崎) 5 - 4 京都外大西(京都)
 長崎日大は星稜、京都外大西は常総学院と共に強豪校を下した両校の一戦。試合は1回裏に長崎日大のエース・浦口のタイムリーで1点を先制し序盤から試合が動いた。浦口は5回までノーヒット無四死球と完璧な投球を見せた。5回裏に打撃の援護を受け京都外大西を突き放す。

 京都外大西エースの本田がマウンドに上がりピンチを切り抜けると、流れは次第に京都外大西に。6回表に制球の乱れを突かれ1点差まで詰め寄った京都外大西は、7回、8回と毎回得点で逆転に成功。8回裏に長崎日大キャプテン柴田が意地のタイムリーで再び同点に追い付くと、続く永田が初球をレフト前に打ち返し逆転に成功。試合はそのまま長崎日大が逃げ切りベスト8一番乗り。

[第2試合] 開星(島根) 3 - 6 楊志館(大分)
 初出場の楊志館がベスト8へ駒を進めた。試合は開星投手・吉田が好投。5回までに被安打1とほぼ完璧なピッチングで試合を運ぶ。3回の表に打線の援護もあり1-0として迎えた6回裏、先頭打者に対してデッドボールで出塁を許してしまうと、制球に乱れが出る。楊志館の甲斐に同点打を浴びると、打者一巡の猛攻で一気に6点を失う。7回表に2点を返され、なおもピンチの状況だったが、楊志館投手・甲斐が開星打者・立石をダブルプレーにし反撃の流れを断ち切った。そのまま楊志館が逃げ切り試合終了。

[第3試合] 常葉菊川(静岡)4 - 3 日南学園(宮崎)
 春の王者・常葉菊川が奇跡の逆転勝利でベスト8進出を決める!序盤、エース田中の調子が上がらず毎回のように日南学園に出塁を許してしまった常葉菊川。さらに日南学園の有馬の勢いのある速球に押され自慢の豪打もなりを潜めた。そして5回表、日南学園が二死から死球を挟む5連打で3点を奪う。リードされ苦しい状況で迎えた8回裏。二死ながら1、3塁のチャンス。ここで森下監督は5番中川に代えで伊藤を代打で送る。これがズバリ的中。監督の期待に応えた伊藤が追い込まれながら左中間スタンドに起死回生の同点弾を放ち、試合を振り出しに戻す。さらに10回裏、またしても1、2塁の場面で伊藤が打席に立つと、センターへサヨナラヒット。大逆転の末、4−3で日南学園を下した春の王者・常葉菊川がベスト8進出を決めた。

[第4試合] 前橋商(群馬) 2 - 5 佐賀北(佐賀)
 中1日、再試合を行った佐賀北が前橋商を振り切りベスト8進出を決める。立ち上がりから激しく試合が動く。2回表、前橋商は投手佐々木が2ランホームランでリードを奪う。一方、佐賀北も負けじと馬場がランニングホームランで同点に追いついた。佐賀北は3回、4回と犠打を織り交ぜた堅実な野球で追加点を奪い徐々に差を広げる。投げては3回以降、馬場、久保の安定した投手リレーで前橋商に付け入る隙を与えず、終わってみれば5−2。長崎日大、楊志館に続き九州勢として3校目のベスト8進出を決めた。