ゆかり秘書の政界「空中戦」 2ちゃんに聖子悪口カキコミ?
週刊誌2誌が相次いで、佐藤ゆかり衆院議員のスキャンダルを報じている。佐藤議員の政策秘書を務めた男性が、同議員の「裏の顔」を告発する、という内容だ。その中には、「命じられて、2ちゃんねるに野田聖子議員の悪口を書かされた」というものもあった。
「岐阜新聞は野田の手先か」元秘書が書き込み?
記事が掲載されたのは、週刊文春と週刊新潮(いずれも2007年8月2日号)。それぞれ、元政策秘書の男性のインタビューで構成されている。この男性は06年5月からボランティアとして事務所に関わりはじめ、06年12月には公設第2秘書として採用され、一時期は政策秘書も務めていたが、7月19日付けで辞職した。
両誌によると、事務所を去った佐藤事務所の秘書は、この男性で8人目。両記事とも、劣悪な労働環境や佐藤議員の高飛車な態度などが、相次ぐ辞職の理由だとしており、さまざまなエピソードが紹介されている。個別のエピソードの内容は、両誌で微妙に異なっているが、両誌で共通して紹介されているのが、「郵政選挙」で議席を争った野田聖子衆院議員への敵対心だ。
発端は、06年9月25日に岐阜新聞の1面に掲載された記事。野田議員を含む「郵政造反組」が06年内にも自民党に復党する見通しだという観測記事だが、同じ選挙区で戦った佐藤議員にしてみれば、これは許せないことだったのだという。佐藤議員は男性に「岐阜新聞は野田の手先か、岐阜新聞は野田新聞なのか、とネットに書き込んでください」と指示し、男性は2ちゃんねるに、その趣旨の書き込みを行ったのだという。「新潮」では、男性が行ったとされる書き込みの内容を、写真とともに詳細に紹介している。
「ネットの書き込みなんて思いつきません」
もっとも、佐藤議員は両誌の取材に対して
「(岐阜新聞への抗議は)指示した記憶はないし、インターネットの書き込みなんて思いつきません」(文春)
「ネットに書き込めなんて指示したことはありません」(新潮)
と全面否定。J-CASTニュースでも、新潮で紹介された書き込みの内容は確認できておらず、この男性が本当に佐藤議員の指示を受けて野田議員と岐阜新聞を非難する文章を書いたのか、そもそも書き込まれた文章自体が存在するのか、などについて確たる証拠はない、という状況だ。
だが、仮に男性の言い分が本当だとすれば、これまで選挙の世界でメディア戦略を指す「空中戦」(対義語の「地上戦」は地道な地盤固めのことを指す)の範囲が2ちゃんねるも含むようになった、という象徴的な出来事と言えそうだ。
2ちゃんねるも「空中戦」の舞台となるとすれば、ブログでの書き込みは、各陣営にとってもっと有力な「武器」になる可能性もある。ただ、ブログでの評判を分析する「kizasi.jp」で、今回話題になった両議員の名前を検索してみると、ヒットしたのは両者とも、わずか5件。現在のところ、特に空中戦は行われていない模様だ。
なお、書き込みの真偽について、7月26日に佐藤事務所に取材を申し込んだところ、翌27日になって「色々話し合ったのですが、この件についてはコメントしません」との返答があった。ノーコメントの理由についても、明らかにしなかった。