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   社会保険庁の職員がドロボウを働いて逮捕された。読売新聞によると、職員はレーザー治療や高額の育毛機器の購入など育毛費用に計300万円をつぎ込んでいた、という。育毛治療ってそんなにかかるものなのか。

   警視庁は2007年4月12日、社保庁経理課の男性職員(28)を窃盗の疑いで逮捕した。官庁街で盗みを繰り返していた。読売新聞は5月30日、夕刊(東京最終版)で事件の続報を伝えた。起訴された被告の男性は3年ほど前からさいたま市内の美容サロンに通いつめ、頭皮マッサージやレーザー治療に200万円以上を支払った。ほかに1台30万円のマッサージ器や1本5万円の育毛剤を購入するなど計300万円も育毛費用にかけていた。「自分の頭髪が薄くなるのではと心配になって、育毛に金をつぎ込んだ」と供述している、という。

当人の毛髪の状態次第で料金は異なる

   育毛・発毛治療には、そんなにお金がかかるのだろうか。J-CASTニュースは、テレビコマーシャルで有名な「毛髪クリニックリーブ21」(大阪)に聞いた。発毛コースや予防コースなど様々な選択肢がある。同社広報部が例として挙げたのは、発毛コースの6カ月コース(50時間)で、基本の料金は約96万5,000円。1回2時間、店舗を訪れ「施術」を受けるのが基本。同社特製のトニックやシャンプーを使い「発毛環境を整える」。さらに「イントロライザー」と「ビームライザー」という同社製のくし型機械で微弱電流を使い、「トニックの浸透力を高め」たり「脱毛を抑制する頭皮環境に整え」たりする。レーザー治療とは異なる。さらに、食事指導やストレス対策の相談に応じる活動も重要な位置を占めるという。

   当人の毛髪の状態次第で料金は異なる。有料のサプリメントを勧められる場合もある。発毛コースは、3ヶ月から2年まで5つの期間コースに分かれている。1993年から2007年4月末までに同社へ登録した延べ人数は約8万5,900人。途中退会した人も含んでいる。「1年以上のスパンで施術を受けた方は、ほとんどの方から満足を頂いている」そうだ。

値段を公表している会社はほとんどない

 

   金額を公表していないサロンも多い。全国に育毛サロンを展開しているある会社も「金額は無料体験に来た人に個別に説明している」とし、電話での問い合わせや取材には回答していない。インターネットには多くの育毛サロンが自社ページを開設しているが、金額を明記している例はなかなか見当たらない。

   体験に基ずく育毛情報をSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で交換しようと07年春、ネット上に「かみの王国 ハゲル〜ナ!」を開設した創和エイジェンシーの大成浩市取締役によると、育毛サロンの料金は店によって様々だ。よく耳にするのは1年で100万円以上。良心的な店もあれば、脱毛への恐怖心をあおって本当は数万円で買える機械を数十万円で売ったり、数万円の育毛剤を売りつけたりする店もある。効果の有無は個人差の部分もあるが、「効果が出ない」と客とのトラブルが多い店があるのも事実だ。中には、頭皮の状態が悪化し訴訟を起こす人もいる。

   大成さんは、育毛に取り組むサロンやクリニックを全部信じるのも、全部怪しいと考えるのも間違いだと指摘する。皮膚科の医者へ行ったり複数のネット情報を集めたり、情報源を広くして自分に合う店を選ぶ必要があり、「店やお金に頼る以前に、自分の体全体の健康から見直すことも必要です」とアドバイスしている。