ネット上では「個人情報ハンティング」も

写真拡大

   福島県会津若松市で高校3年生の少年(17)が母親を殺害、頭部を持って自首した事件で、少年の周辺に関する報道が相次いでいる。少年かもしれない人物が犯行後に携帯SNSで日記を書いていた、とする夕刊紙があったり、顔写真を掲載する夕刊紙もある。さらに、ネット上では、報道内容から少年の住所や本名を割り出す「個人情報ハンティング」も進んでいる。

「生首少年?ネット告白」という報道も

   報道によると、現在少年は取り調べに対して淡々と応じているものの、後悔、反省の様子は見せていないという。肝心の少年の犯行動機、つまり「心の闇」については、当分は明らかになりそうもない。

   そんな中、「心の闇」の手がかりになるかもしれない報道が飛び出した、夕刊フジが2007年5月17日、「生首少年?ネット告白詳報」という見出しで1面トップの扱いだ。それによると、犯行から1時間後の5月15日午前2時半ごろ、携帯電話向けSNSに、「最期の日記」というタイトルの日記が掲載されたのだという。「ボクは犯してはならない罪を犯しました」という書き出しで、残りは1問1答形式。「動機は?」という問いには「理由ですか?ただ何となく」と答え、経緯については

「あえて挙げるなら自己実現」

と説明、さらに

「(後悔は)今はありません。ほっとしています。でも後々悔やむことになるでしょうけれど」

とも書き、取り調べに対して反省の様子を見せていない、という点とも符合する。さらに、「この後どうする?」という問いには「罪を与えてもらいに行きます」と、自首を示唆する回答をしている。
   同紙によると、この日記は5月16日午後になって、SNSの運営会社が削除したという。

実名とみられる名前が掲示板に書き込まれる

   一方、東京スポーツは、5月17日、少年の顔写真をモザイク入りで掲載している。少年が中学生だった03年に撮影されたとされ、詰め襟の学ラン姿だ。同紙では、少年のことを

「クッキリしたまゆ毛、通った鼻筋、意志の強そうな目が特徴」

と紹介、「写真からは悩みの影も見られない」としている。
   また、ネット上では、

「少年の実家が○年○月○日に土砂崩れで半壊」
「スキーが得意で、県大会で入賞した」

といった情報から、土砂崩れを報じるニュースやスキーの結果一覧を掲載したウェブサイトを探し出す「個人情報ハンティング」が加速し、関係サイトや少年の実名とみられる名前が掲示板に書き込まれる例も相次いでいる。
   少年の周辺情報は急速にさらされていくが、事件の全容解明には、まだ時間がかかりそうだ。