徳永暁人
 倉木麻衣など数多くのアーティストへ楽曲提供を行いヒット曲を生み出している徳永暁人(ボーカル&ベース)、B'zを始め様々なアーティストのレコーディングやライブでサポートを務める大田紳一郎(ボーカル&ギター)と、音楽活動の他にも国内外のレースカテゴリでプロドライバーとして活躍中の吉本大樹(ボーカル)からなる個性豊かな3人組グループ、doa。昨年12月に発表したシングル「心のリズム飛び散るバタフライ」がロングヒットを続ける中、9作目のシングル「はるかぜ」を3月7日に発売。前作に続きリードボーカルを務めた徳永暁人に話を聞いた。

■前作「心のリズム飛び散るバタフライ」から、それ以前のシングルと比べるとイメージが変わった様に感じたのですが、何か考えがあったのでしょうか?

徳永暁人(以降、徳永):いや、そういう訳でもないですね。僕がリードボーカルを取ったというのが大きいのかもしれないですけど、僕達は3人ともが歌うので、それぞれの持ち味の音域があるんですよ。僕は1番低いパートを担当しているので、それに合った形の曲の仕上げ方をしたことが1番大きいのかもしれないですね。特にすごく考えた訳ではないですね。

■割と今までのシングルの印象だと、アップテンポで勢いのある曲が多かったなと。同じ強さでも「心のリズム〜」以降は内に秘めた強さだったり、哀愁漂う切なさだったり。

徳永:そうですね。でも、アルバムで僕が歌っている曲は割とメロウなものが多かったり、そういう意味では最初から考えていた範疇の中ではあるかなと思います。

■当の本人達より、周囲の反響の方が大きいですか?

徳永:僕達は、すごく自然にやっている感じですね。

■曲を書かれた時点で、誰が歌うかをある程度決められますか?

徳永:大体決めますね。最初の湧き上がってきたイメージで、「これは英語でやろう」とか。もし、それが合わなかった時は全部取っておいて、煮詰まるまで温めておく。

■「心のリズム〜」は、いつ頃出来た曲なのでしょうか?

徳永:去年の夏の終わり位、秋口ですかね。その時に出来ていた曲で、実は今度の「はるかぜ」の方が1年半以上前から出来ていたんですよ。だから、逆転した感じ。

■この時期「さくら」とか「卒業」という歌詞を目にする曲が多い中で、「はるかぜ」は最初にタイトルからイメージしていたものと、実際の曲の世界観とでギャップがあって、前向きではあるんですけど、振り返った過去に想いを馳せている曲だなと感じました。

徳永:そうですね。これは去年の秋、10年ぶり位に爺さんの墓参りに行ったんですよ。その時に感じたことをメモしていた断片が、この曲の根幹になっているんですよ。

■男女の出会いに限ったことではないと。

徳永:春というと、出会いとか別れとか、そういう時期じゃないですか。当然、恋人とかもあるんですけど、家族とか友達とか色々あると思うし、そういうのを思い出すきっかけになるシーズンかな、と僕はいつも思っているので。勉強とか仕事とかそういう出会い、それから別れは人生に必ず付きまとうものだと思うし、僕自身も生きてきた分だけ経験してきたので、振り返って色々あるんですけど、ふと弱気になったりするじゃないですか。そういう人に聴いてもらって、ちょっとだけ背中を押せたらいいかな、という思いですね。