【ファンキー通信】才能の宝箱!? あの有名人も元「ハガキ職人」だった!

写真拡大

 皆さんは「ハガキ職人」という存在を知っていますか? 主に、ラジオや雑誌などの投稿コーナーに多くのネタをハガキに書いて出す人のことを意味します。メールが普及した今ではハガキでお便りを出すことも少なく、ましてやケータイでもテレビが見れるこのご時勢ではラジオすら聞かない・・・なんて人も多いのでは? 「ハガキ職人」・・・マイナーでアナログな響きに、あまり関心が持てない人も多いかもしれませんが、実はあの著名人や作家を生み出した「クリエイターの宝庫」だったりするんです!

 もともと、「ハガキ職人」という言葉はニッポン放送の人気深夜番組『ビートたけしのオールナイトニッポン』(1981年1月1日〜1990年12月27日)から生まれたそう。深夜枠であることから、日中は放送できないようなトークやコーナーを設けていたりして、その限られた時間内にハガキを読んでもらおうと必死にネタを送り続ける「ハガキ職人」が数多くいたといいます。

 ナンシー関、秋元康、清水ミチコ、宮藤官九郎、田村亮(ロンドンブーツ1号2号)、松本康太(レギュラー)など、名だたる作家や芸人たちも元ハガキ職人だったことで有名。ラジオの常連ハガキ職人から番組スタッフになり、今では有名な人気テレビ番組を手がけている放送作家も多いのだ。

 同じく人気漫画雑誌『週間少年ジャンプ』の黄金期に連載していた「ジャンプ放送局」(1982年10月〜1995年12月)という読者投稿ページ内にも、レベルの高い(ここでは笑いの質、といったところでしょうか)「投稿戦士」と呼ばれるハガキ職人が存在。当時のハガキ職人たちの中には、今では漫画家、構成作家、ライターとして活躍している人も多数いるとか。

 てことは、放送作家・構成作家になるには「ハガキ職人」になるのが近道ってこと?

 「一概には言えませんが、常連ハガキ職人の方をスタッフとしてスカウトすることはあります。過去にそうやって有名人になったケースもありますし。自分もそれでこの世界に入りました。そのためにはまず、たくさんのハガキを出して名前を覚えてもらうことが重要! ペンネームであるならば、同じものをずっと使い続けることです。」(元ハガキ職人の某ラジオ構成作家Aさん)

 じゃあインパクトのあるペンネームだったら覚えてもらえるのか?といったらそうでもない様子。蛍光ペンでハガキを縁取ったり、文字をギュウギュウに詰め込んでみたり、いろいろ工夫をしてくるリスナーは多いようだが、肝心なのは面白い「ネタ」と丁寧に書かれた「読みやすさ」なんだとか。

 某FM局ではお便りの9割がメール、というほどハガキでの募集は少ないようだが、「ナインティナインのオールナイトニッポン」では一部を除いてハガキしか受け付けていないというほどこだわりを持った番組も存在している。

 たまにはテレビを消してラジオに耳を傾け、「宝(才能)探し」をしてみては? ・・・そんな秋の夜長を過ごしてみるのも“オツ”かもしれません。(坂井あやの/verb)