実は、千葉は「本州と陸続きではない」――。そんな真偽不明の情報が、ツイッターで拡散している。


本州とつながってない説(C)Google

発端となったのは、電車情報などを発信するツイッターアカウント・通勤電車ドットコム(@com_train_com)の2019年12月26日の投稿だ。「千葉県あるある」を挙げる中で、

「実は本州と陸続きではない」

と紹介したのだ。

その後、この投稿を目にしたとみられる別のユーザーが、「調べたらまじだった」として、千葉県が本州と陸続きではないように見える地図の画像をツイート。この投稿は、2万3000件以上のリツイート、5万件超のいいねが寄せられるなど、大きな注目を集めている(数字は20年1月21日現在)。

こうした投稿にツイッターでは、

「ぼくは千葉島民だったのか......」
「せやでー有事の時は不沈空母千葉やでー」
「千葉は独立国になれるぞ!!」

といった声が寄せられている。

千葉が本州から離れているというのは、はたして本当なのだろうか。

千葉は本州とつながっている

Jタウンネットは2019年1月17日、千葉県庁の担当者に紹介されて、県内の地理に詳しいとされる県立歴史博物館(千葉市)に真相を聞いた。

結論から言うと、千葉は本州とつながっている。生態学・環境研究科の研究員によれば、千葉県の大部分が河川で本州と離れていることは確かだが、厳密には間違っているという。

「利根川の北側の部分でも、千葉に所属している部分があります」(研究員)

利根川は千葉北部と埼玉の県境付近を流れている。つまり、本州側にも「飛び地」のような形で千葉の土地が存在しているため、ネットで拡散された「千葉は本州と陸続きではない」という情報は誤りだというのだ。

実際にGoogleマップで確認してみると、香取市や野田市でそのような土地が見られる。


香取市(編集部で一部加工、以下同)(C)Google


野田市の一部(C)Google

また、河川の内側に他県が入り込んでいるケースもある。

野田市では、千葉西部を流れる江戸川の東側に茨城県五霞町、我孫子市では利根川の南側に茨城県取手市との県境が存在する。このように、千葉の県境はほとんど河川に沿っているが、よく見ると所々ずれていることがわかる。


野田市の一部(C)Google


我孫子市(C)Google

研究員によれば、利根川は自然的・人工的な河道変更を繰り返した結果、このような流路になったという。そのため、利根川の位置と、地域の境目が一致していた時期もあったかもしれないとのことだ。

現在の千葉は島とは言えないが、研究員は、

「地学的な歴史で見ると、千葉県(にあたる地域)が島になっていた時期はいっぱいあります」

と話している。