やっぱり減ってない「訪韓日本人」 2月も26.7%増、若者・女性の勢い止まらず
日韓関係が冷え込むなかでも、韓国を訪れる日本人観光客は増え続けている。韓国観光公社が2019年3月22日に発表した月次の観光統計によると、2月に韓国を訪れた外国人観光客は前年同月比15.0%増の120万1802人で、そのうち日本人は21万3200人を占める。伸び率は26.7%で、全体の伸び率を大幅に上回る。
韓国観光公社では、「若年層・個人観光客を中心に訪韓需要が持続的に増えている」とみている。
「国籍別」で「入国せず乗り継ぎ」は含まず
この統計は、韓国入国の際に提出する入国カードや、入国審査で読み取ったパスポートのデータをもとに、国籍別に集計されている。そのため、韓国に入国せずに仁川空港で欧米便に乗り継ぐ日本人客は含まれない。
2月に韓国に入国した日本人観光客の内訳をみると、男性は7万961人で前年同月比5.1%の伸びにとどまったのに対し、女性は13万9997人で41.9%も伸びた。これ以外に乗組員として韓国に入国した日本人が9.3%多い2242人いた。
年齢別にみると、最も多かったのが21〜30歳で、43.5%増の7万5150人。41〜50歳(3万3255人、9.5%増)、51〜60歳(2万9288人、14.2%増)、31〜40歳(2万9004人、14.5%増)と続いた。最も伸び率が高かったのが0〜20歳(2万6804人、55.4%増)で、30歳までの比較若い層で韓国に行く人が増えていることが分かる。
韓国のLCCが次々に増便
入国経路を見ると、仁川空港経由が全体の6割を占め、前年同月より35.2%多い12万8329人。次に多かったのが金浦空港経由の4万8537人(11.9%増)だった。日本の国土交通省のまとめによると、18年冬ダイヤ(18年10月28日〜19年3月30日)で日韓を結ぶ旅客便は週に1224便で、17年冬ダイヤの1097便から11.6%増えている。増便の多くが、済州航空やイースター航空といった韓国の格安航空会社(LCC)によるものだ。日韓を結ぶ格安航空会社(LCC)の多くは仁川空港に乗りいれているため、金浦よりも仁川の方が高い伸び率になったとみられる。
韓国を訪れる日本人観光客の数は、円高ウォン安や「第2次韓流ブーム」を背景に12年に過去最多の約352万人を記録し、それ以降は減少が続いた。12年8月に李明博(イ・ミョンバク)大統領が竹島(韓国名・独島)への上陸を強行したことが影響したとみられるが、15年の約184万人を底に回復に転じ、18年は295万人だった。
一方、日本政府観光局(JNTO)が3月19日に発表した訪日外客数の推計値によると、19年2月に韓国から日本を訪れた観光客は前年同月比1.1%増の71万5800人で、2月としては過去最高を記録している。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)