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ジャーナリストで、メディア研究者の渡辺真由子さんの著書『「創作子どもポルノ」と子どもの人権』の一部に重大な無断転載があったとして、版元の勁草(けいそう)書房は11月28日、「弁解の余地はない」と謝罪文を発表した。同書を絶版・回収したうえで、購入者には返金するとしている。

『「創作子どもポルノ」と子どもの人権』は今年4月、勁草書房から刊行された。マンガやアニメなど、実在しない子どもを性的に描く表現物の規制について考える本だ。同社によると、11月に入ってから、SNS上で無断転載に関する指摘があることを見つけて、確認したところ、広範囲にわたる無断転載の箇所があることがわかったという。

該当箇所は、全7章の中で1章分(第6章)。同社編集部によると、外国の事例に関する論文をかなりの文量で転載し、「注」で出典を示していたが、執筆者から許諾をとっていなかった。「本文の主従関係が逆転しており、(許諾のいらない)引用とすることは難しい」と判断したという。

同社はホームページ上で、「改めて読者の皆さま、関係者の皆さまにお詫び申し上げます」「今後このようなことがないよう一層の信頼回復に努めていく所存でございます」と陳謝。回収・返金については、電話とメールで受け付けている。http://www.keisoshobo.co.jp/news/n27533.html

(追記)渡辺さんは28日、公式ブログで「当方と致しましては、無断転載の意図は一切ございません。しかしながら結果的にこのような形で出版がなされたことにつきまして、関係各位にお詫び申し上げます」とコメントした。

(弁護士ドットコムニュース)