ゴールシーン以外にも決定機に絡むアグレッシブな姿勢でチームの攻撃を牽引した本田。そのパフォーマンスには、地元メディアからも賛辞が送られた。 (C) Getty Images

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 10月20日、オーストラリアのAリーグが開幕。メルボルン・ビクトリーはメルボルン・シティとのダービーマッチで1-2と逆転負けを喫した。

 この試合で最大の注目を集めていたのは、元日本代表MFの本田圭佑だ。今年8月にビクトリーへの入団が決まって以来、Aリーグにとって「デル・ピエロ以来の大物スター」として、大きな期待を寄せられてきた。

 そして、迎えた開幕節で先発起用された本田は、右サイドを主戦場にポジションを巧みに変えながらゲームメイクに絡むと、28分に見せ場を作る。右からのクロスにドンピシャのヘディングで合わせて、いきなりの移籍後初ゴールをマークしてみせたのだ。

 その後、惜しくもチームは逆転されてしまったものの、決定機を演出するパスを随所で披露した本田は、年俸制限のないマーキープレーヤーとしての期待に応える活躍ぶりで、本拠地マーベル・スタジアムに詰めかけたファンに存在感を存分に示した。

 日本サッカー界のカリスマが放った強烈な存在感には、地元メディアも感嘆。試合の中継を行なった『Fox Sports』は、マッチサマリーにおいて、「日本のマエストロがデビュー戦でゴールを決めた。本田は全ての中心にいるようだった」と褒めちぎった。

 さらに豪紙『The Sydney Morning Herald』は、「シティが本田の歓迎パーティーを台無しにした」と銘打ったマッチレポートで、本田のゴールシーンを次のように描写している。

「本田のゴールは、美しいビルドアップから生まれたものだった。それも、日本のスターも決定機の創造にしっかりと携わってのものだ。そして右サイドからルクスが送った完璧なクロスボールに、正確なポジショニングと力強いヘディングで本田は応えた。ここまで完璧な連携を図るには、互いに信用していなければならないが、ルクスと本田は驚くほど良い関係性を築いていることを証明した」

 さらに同紙は、本田の殊勝なパフォーマンスから、今後の活躍に期待を寄せた。

「本田はそのタッチ、クロス、攻撃的で正確なFKなど、その全てで違いを生み、スコアシートに刻まれた結果以上の影響力を示した」

 自身のゴールを勝利に結びつけられなかったものの、出色の出来で堂々たる豪州デビューを飾った本田。その注目度や期待がより増すであろう次節は、28日にもうひとつのホームスタジアムである「AAMIパーク」でパース・グローリーと対戦する。