ぱっくり割れたズボンの裂け目から『E.T.』の文字が!

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 俳優・斎藤工主演のシンガポール・日本・フランス合作映画『家族のレシピ』がスペインで開催中の第66回サンセバスチャン国際映画祭のキュリナリー・シネマ(料理映画)部門で、このほど上映された。上映後には映画にちなんだ料理を味わうディナーが催されるのが同部門の特徴だが、そこで斎藤の履いていた革のスボンが破れてトランクスが丸見えとなるハプニングが起こった。

 “事件”が起きたのはディナーも終盤に差し掛かり、この日のためにシンガポールから来た気鋭のシェフ「ニュー・ウビン・シーフード」のアレクサンダー・パンとエリック・クー監督、松田聖子、ジネット・アウ、斎藤によるQ&Aが行われる直前のことだった。トイレに立った斎藤が、床に落としたリップクリームを拾おうとしたところ、開催地に敬意を表して選んだスペイン・ブランドの革のスボンがビリっと破れてしまったという。

 お尻を抑えながらQ&Aの席に着いた斎藤だったが、こんなおいしいネタはないとばかりに事情を話すと「皆さんにお見せしましょうか?」と後ろ向きになりスボンの裂け目を広げ、中のトランクスまで披露。続いて「今日の料理がおいしくて、食べ過ぎたせいだと思います」と語ると、会場からヤンヤの喝采が起こった。

 ちなみにトランクスは映画『E.T.』のもの。同作は斎藤が初めて観た映画で、それがこの道へ進むきっかけとなっている。このハプニングはまさに、映画の神様が斎藤の本映画祭初参加を祝福しての“奇跡”だったかもしれない。

 本作は、ラーメン店を営む父の死をきっかけに、亡き母の母国シンガポールへと旅立った主人公・真人(斎藤)が、母の味と、バラバラになってしまった家族を求めて旅をするハートウォーミング・ストーリー。両国のソウルフードであるラーメンと肉骨茶(バクテー)が物語のカギとなることから、この日のディナーでも肉骨茶スープや、たまご麺とビーフンの2種類の麺を使ったシーフード・ヌードル、さらに同国名物チキン・ライスも提供された。

 劇中で真人の家族探しを手助けするシンガポール在住のフードブロガーを演じた松田は「スペインに来て、まさかシンガポール料理を頂けると思いませんでした。すごくおいしかったです」と笑顔を見せていた。

 なお、同作は10月25日〜11月3日に開催される第31回東京国際映画祭ワールドフォーカス部門で上映される。(取材・文:中山治美)
 
『家族のレシピ』は2019年3月公開
第66回サンセバスチャン国際映画祭は現地時間9月29日まで開催