探偵歴10年以上、浮気調査に定評があるリッツ横浜探偵社・山村佳子が目撃した、男と女の浮気事情。

パートナーがいる男女の恋愛の詳細を、美人探偵・山村佳子がその事件簿から紹介します! 

浮気がバレた後の夫婦関係、浮気調査のポイントについても語ります。

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今回の依頼者は梅村千景さん(仮名・38歳)。エステティックサロンに勤務する、見るからに“やり手マネージャー”という女性。美しいロングヘアをキュッとまとめた小顔はアーモンドアイで美しい。サーモンベージュの春ニットにネイビーのタイトスカートが、細い体によく似合います。ユニークなモチーフがインパクトあるイギリスブランドのトートバッグがおしゃれです。

「結婚6年になる5歳年上の夫が、浮気をしているようなんです。彼と私は地元の飲み仲間で、私が32歳のときに結婚しました。中堅のメーカーに勤務するサラリーマンで堅実だったこと、さらに気も合うし、私を大切にしてくれる。職場に出会いもないので、ちょうどよかったんです。ずっと幸せに暮らしていましたが、去年、彼のおばさんが亡くなって、その遺産がすべて彼の所に入って来てからおかしくなったんです」

旦那様は都内のマンションと2000万円程度の貯金を相続したとか。この遺産が入ったことをきっかけに、ある副業を立ち上げて成功し小金持ちになったそうです。すると、“投資で夢を叶えよう”“自由に旅して億万長者になろう”などと言ってくる怪しい友だちが多数できたとか。そのうちの1人は、家に遊びに来ることも多く、美人の千景さんにモーションをかけてくるようになったといいます。

「それまでの夫の友だちは控えめで知的な人が多かったのに、その人は真逆。イタリアブランドで全身を固め、ユニークな文字盤で知られる高級時計を身に付けていました。ひと目でわかるブランドばかりだから、会うとビックリしますよ。それで、その人が“奥さん、あんだの旦那さん、浮気してるよ。俺が調べてあげるからさ、そしたらデートしようよ”と言ってきたのです」

言われてみると、外泊が増えたり、連絡なしに数日間の出張に行くこともあったといいます。

「夫の副業はネット関連の仕事で、希少価値が高いものを売っている様子なんです。だから家に来る荷物も倍増しました。その中には明らかな偽名で届く段ボールがあり、中には新聞紙にくるまれた泥だらけの無農薬野菜が大量に入っていました。使用済み段ボールに素人が詰めている感じが明らかに異質なので、覚えています。毎週のように届き、ウチも食べきれずマンションの同じフロアの人にうれしそうに配っているんですよ」

子供がいないからこそ、離婚しないように気をつけなければならないと感じている……

旦那様の副業は好調のようで、家が段ボールだらけになることも。それは気になりましたが、文句は言わなかったといいます。

「夫がオフィスとして別の部屋を借りようとしていたからです。夫の心が離れている危機感のようなものはあり、反対しました。子供がいないと、夫婦関係ってやはり気を使いますよ。毎日、気持ちを伝えていないと不安になりますし、ちょっとしたことが離婚の原因になるのを本能的に感じるんですよね。一緒に住んでいるなら気持ちも通じますが、別のところに拠点を持たれてしまうと、絶対に心は離れると感じます」

旦那様と結婚していることの経済的メリットは大きい。「正直、愛というよりはお金のために離婚を食い止めたい」と本心を語っていました。

「副業が成功してから、生活費としてもらっていた金額が10万円から30万円になったんですよ。お金をもらっていると、“あれこれ文句を言って夫の機嫌を損ねるよりは現状維持でいいか”と思うようになって、スルーしていました。でも、浮気は許せない。しかも彼は情にもろく、困っている女性が好きなんですよ。私と結婚したのも、“薄給でこき使われている私”を助けたいという気持ちが大きかったのでしょう。だから、浮気相手にのめり込む危険性がある。すると私は今の生活を手放して、ボロいマンション生活に戻らなくてはならない。そんなのは絶対にイヤ!離婚するにしても、慰謝料がもらえる離婚の武器にするために証拠を取りたいです」

千景さんには基礎体温計をつけるなど妊活をしていた時期もあったけれど、仕事のこともあり子供をあきらめた過去もある。

※本連載はプライバシーに配慮し、体験内容を変えない程度に一部書き換えています。

夫の友人に誘惑される依頼者・千景さん……夫が昭和な銭湯に行った目的は何だったのか?〜その2〜に続きます。