子供を幸せにするには“卒母”を(写真/アフロ)

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 今、“代理婚活”が人気だ。代理婚活とは、子供の代わりに親同士がお見合いし、息子や娘の結婚相手を探すというもの。親は子供のためを思っての行動だが、中には「親同士のお見合いに参加したの」と娘に告げたら、「なんで勝手なことするの!」と怒鳴られてしまったなど、子供から反発を受けるケースも。どうして親と子の思いはすれ違ってしまうのだろうか。

 婚活ブームの生みの親で共著に『「逃げ恥」にみる結婚の経済学』(毎日新聞出版)を持つジャーナリストの白河桃子さんは、「世代間の違い」を指摘する。

「適齢期で結婚しない子供を抱える今の母親たちは、女性が結婚して子供を産むことが当たり前だった世代です。彼女たちは結婚しない子供について、“なんで私の子供は結婚できないんだろう”“なんてかわいそうなんだろう”と思ってしまう。子供との関係が悪いのではなく、子供のことを思うがゆえに代理婚活に走るのですが、今の子世代は結婚に幻想を抱いておらず、自分が納得しなければ容赦なく拒絶します」

 元タカラジェンヌで独身の紫吹淳(49才)も「結婚=幸せ」との考えに疑問を呈する。

「一度は結婚してみたいという憧れもありますが、縁あってのものなので『結婚=幸せ』とは思いません。周りには恋愛もしていないけれど、楽しそうな女性もたくさんいます。代理婚活をする親の気持ちもわかるけど、こればかりは本人同士の問題。一度、母が不思議そうに『結婚しないの?』と聞いてきたことがありますが、『相手がいたらする』と答えました。母が私の代わりに婚活すると言ったら、もちろん止めますよ(笑い)」

◆西原理恵子氏の「卒母」が重要

 それでも子供が心配になってしまう親はどうすべきか。『生涯未婚時代』(イースト新書)の著者で兵庫教育大学大学院学校教育研究家助教の永田夏来さんは「卒母」を勧める。

「卒母」は漫画家の西原理恵子さんの造語だ。足かけ16年にわたって実生活の家事や育児の奮闘ぶりを描いた漫画『毎日かあさん』の最終回で西原さんは、子供たちの自立を機に母親業を終えるとして、「お母さんを卒業します」と述べた。

 この“卒母宣言”は同世代の母親から大きな反響を呼んだ。

「今の親世代が、『婚前交渉はふしだら』としたその前の世代に反発したように、親子の価値観はいつの世も異なるものです。

 子供の人生は子供のものなのだから、世の母親は西原さんのように子供が社会に出たら“卒母”すべき。自分の価値観を押しつけることをやめ、子供の意見をしっかり聞いて共感することを心がけ、相談には乗っても最終的な判断や決定は子供に委ねるべきです」(永田さん)

 親子のコミュニケーションに詳しい「こどもみらい塾」塾長の楠本佳子さんは、母親自身が人生を楽しむことが必要と指摘する。

「厳しい言い方をすれば、子供は母親の持ち物ではありません。子供との関係を正しいものにするには、まず母親が子供の人生を尊重して過干渉しないこと。そのためにも母親は自分の好きなことや趣味など夢中になれるものを持ち、自分の人生を豊かにすべきです。そうすれば子供は自然と母親を尊敬するようになり、いい親子関係を築けます」

 代理婚活で見つけた男性とお見合いするよう娘に掛け合おうとしていた女性・Aさんは、「卒母」という考え方を知って全身の力が抜ける思いだった。

 進学・就職までは親の力でどうにかなったかもしれないが、恋愛や結婚や出産まではどうにもならないし、どうにかすべきでもない。

※女性セブン2018年2月22日号