混乱する仮想通貨取引。個人投資家が最低限やっておくべきことは何だろうか(写真:Anesthesia / PIXTA)

NYダウが2月2日、前日比665ドル安と急落。「いつ落ちるか」との不安が、ついに現実のものになった。5日以降の日本市場も当面、不安定な展開が予想される。この間、カリスマ投資家の内田衛氏はどんな取引をしていたのだろうか。どうやら「そろそろ天井」と読んで、取引はそこそこに。一方で大量に保有している低位株が大幅に上昇した。いつものように株日記で振り返ってみよう。


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【1月15日 月曜日】先週末の日経225先物は、110円高の2万3750円、NYダウは、228ドル高の2万5803ドル。1ドル111.04円、1ユーロ135.38円。1月12日に年初来高値1795円を付けたビックカメラ(3048)は、94円安の1670円と大幅安。また、優待保有銘柄のコロワイド子会社のアトム(7412)は、16円高の984円で年初来高値を更新した。そろそろ2月、3月の配当、優待権利取りの動きが出てきたようだ。日経平均株価は、61円高の2万3714円と4日ぶりの反発。

トーセイ・リート投資法人を売って利益確定

【1月16日 火曜日】日経225先物は、50円安の2万3670円、NY市場は休場。日経平均は、236円高の2万3951円と大幅高。仮想通貨のビットコインの価格が急落した。1BTC(ビットコイン)の本日の高値は、169万3104円、安値は、129万5724円。世界各国で仮想通貨に対しての規制強化のニュースがあった影響か。

【1月17日 水曜日】日経225先物は、240円安の2万3710円、NYダウは、10ドル安の2万5792ドルとなったが、一時初の2万6000ドル台を付ける場面があった。1月5日に2万5000ドルに乗せたばかりなのに、上昇が急ピッチなのが気になる。いったん、短期的には天井を付けてしまうのではないか。7時半頃、ビットコインが一時100万円を割れる場面があった。日経平均は、83円安の2万3868円。

【1月18日 木曜日】日経225先物は、230円高の2万4050円、NYダウは、322ドル高の2万6115ドルと主要3指数が最高値を更新した。12時31分、リソー教育(4714)を825円で5000株買う。第3四半期決算発表後、急落した1月10日にも845円で5000株買っている。保有株数は、11万株になった。

また、トーセイ・リート投資法人(3451)を11万2000円で10口売り、6万5216円の利益確定。買いは、2017年10月24日に公募(PO)で10万4462円。トーセイ・リート投資法人は、上場リートの中では高利回りで、今年の4月と10月の分配金予想金額合計が、6671円で本日の売値からすると5.95%になる。

売った理由は、10月10日に付けた11万1900円の年初来高値を更新したことと、GMOクリック証券で貸株(証券会社に貸出をするともらえる貸出料)をすると1%の貸株料がもらえるので、同証券で10口買い直そうという理由から。

大和証券の公募で買っているのだが、売らないでGMOクリック証券に移管するという手段があるが、大和証券の場合、10口移管すると移管手数料が5940円かかる。ネット証券だと移管手数料が無料のところも多い。大和証券でも貸株制度があるようだが、1000万円位からと大口でないとできなかったり、貸株をしているとすぐに売れなかったりして使い勝手が悪い。

移管手続きも面倒だしそれなら、売却手数料1万164円払ってGMOクリック証券で買い直した方がいいと思ったから。貸株料の1%が上乗せされれば、リートの利回りが約7%になる計算だが、貸株の利回りは毎週見直されているので、突然0.1%になることもあるが、今のところ昨年12月から見ているけど、1%の貸株料が続いている。

超低位株のアゴーラ・ホスピタリティ・グループ(9704)(旧東海観光)が、17円高(47.22%)の53円と急騰した。東証1部値上がり率第1位、出来高は5781万8000株と第3位、急騰した理由はわからないが、平均買値39円で10万株保有中。日経平均は、104円安の2万3763円と続落。一時、1991年11月以来の2万4000円を回復したが、終値で維持できなかった。

優待目的で買った保有銘柄が、含み益になった

【1月19日 金曜日】日経225先物は、100円高の2万3870円、NYダウは、97ドル安の2万6017ドル。昨日急騰したアゴーラ・ホスピタリティ・グループは、8円安の45円と早くも下げる。寄り付きで売りだったな。日経平均は、44円高の2万3808円。

【1月20日 土曜日】日経225先物は、20円高の2万3820円、NYダウは、53ドル高の2万6071ドル。1ドル110.82円。

【1月22日 月曜日】関東地方は、午後から4年ぶりの大雪となった。しかし、優待保有銘柄の3銘柄に年初来高値更新があった。オエノンホールディングス(2533)は、25円高の399円と高値引け。シダックス(4837)は、2円高の490円。日本BS放送(9414)は、26円高の1425円。

私の優待保有銘柄(最近買ったすかいらーく以外)は、日経平均が1万円割れという不景気の時に買っているので、シダックス以外含み益となっているのだが、ようやくシダックスも含み益となってきたので嬉しい。日経平均は、8円高の2万3816円。
     
【1月23日 火曜日】日経225先物は、120円高の2万3910円、NYダウは、142ドル高の2万6214ドル。日銀の黒田東彦総裁は、金融緩和維持で「緩和縮小を検討する局面にない」と発表で、日経平均は、307円高の2万4124円と26年3カ月ぶりの高値。

【1月24日 水曜日】日経225先物は、130円安の2万3990円。NYダウは、3ドル安の2万6210ドル。

久しぶりに吉野家へ行った。目的は新メニューの白カレー(税込350円)の試食。見た目は、ご飯にクリームシチューがかかっている感じで、味は若干スパイシーなカレーで不思議な感じだ。目をつぶって食べれば、普通のカレーと変わらない。


吉野家の新メニュー・白カレー。全く具が入っていないように見えた(筆者撮影)

全く具が入っていないので、せめてジャガイモ、ニンジン、玉ねぎなど入れて欲しいと思うが、入っているのを想像すると、ルーがカレーではなく、見た目が益々クリームシチューとなってしまうからあえて入れていないのかと勝手に考えた。

同じ価格で黒カレーのメニューもあるので、どちらかといえば、私は黒カレーかな。翌日の朝、携帯に吉野家から白カレー50円引きのクーポンが届き、タイミングが悪いなと思った。日経平均は、183円安の2万3940円と4日ぶり反落。1ドル=109円台と円高進む。

【1月25日 木曜日】日経225先物は、180円安の2万3730円、NYダウは41ドル高の2万6252ドル。

東京でマイナス4度と48年ぶり。1ドル108円台と円高進み、為替市場にも寒波襲来。NY原油が、在庫減で65ドル台と3年1カ月ぶり高値。日経平均にも寒波襲来で、271円安の2万3669円と大幅安。そんな中で逆行高したのは、優待銘柄のリソルホールディングス(5261)で、125円高の4745円と年初来高値更新。

仮想通貨は複数の取引所に口座開設、リスク分散を

【1月26日 金曜日】NYダウは140ドル高の2万6392ドル。日経平均は、37円安の2万3631円と3日続落。16時半頃、ビットコインが急落していることに気づく。理由は、仮想通貨取引所のコインチェックで仮想通貨NEM(ネム)が不正アクセスによって580億円分もの流出があり、取引、出金停止となっていたのだ。かねてから、取引所に世界のハッカーから不正アクセスによって流出するリスクがあることはいわれていたが、現実のものとなってしまった。

個人が取れる対策としては、取引所を分散し複数の取引所に口座を開設しておいて、取引停止となっても他の取引所で売買ができる状態にしておくことだろう。1999年に証券手数料が自由化され、ネット証券が台頭していた頃にも、しばしばシステムトラブルで、発注できなくなることがあったが、この時も複数のネット証券に口座を開設する対策を取った。

ビットコインだけでなく、イーサリアムやリップルなど他の仮想通貨に分散している人もいると思うが、仮想通貨全部に規制がかかるようなニュースが出ると仮想通貨の種類に関係なく全部が下げる傾向にあり、通貨分散はリスク分散になっていないように思う。これからは、通貨分散だけでなく、取引所も複数分散して口座開設しておく必要がありそうだ。

【1月27日 土曜日】日経225先物は、60円高の2万3690円、NYダウは、223ドル高の2万6616ドルと最高値更新。1ドル=108.64円。日銀の黒田東彦総裁は、日銀が掲げる2%の物価上昇目標にようやく近づいていると発言。金融緩和政策の正常化(1月29日でマイナス金利導入を決めて丸2年)も年内にあるかも。

そこで今、三井住友フィナンシャルグループ(8316)、みずほフィナンシャルグループ(8411)などを逆張りで買うのも面白いと思う。高配当を3月の期末配当でもらい、マイナス金利撤廃となれば、さらに値上がり益も狙えるのではないかと予想する。