内野彩華氏

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 はじめまして、内野彩華(うちの・あやか)です。

 最初に自己紹介させてください。私は1977年、広島県で生まれました。上京して津田塾大学情報数理学科に進学し、日本オラクルという外資系IT企業に入社しました。営業部に配属され、入社2年半で、トップセールスマンになることができました。

 その後、25歳で会社をやめて、歌舞伎町に小さなキャバクラをオープンしました。もともと「社長になりたい」という思いが強く、大学時代に4年間、銀座のクラブでアルバイトをしたこともあり、「キャバクラならノウハウはわかるし、私でも社長になれるかもしれない」と、思い立ったのです。

 あれから15年がたち、現在では新宿・歌舞伎町にキャバクラを4店舗、銀座にクラブを2店舗経営しています。並行してキャバ嬢の育成や、店舗の立ち上げを行うコンサルタント業務もこなし、我がアップスグループは2016年、年商10億円を達成しました。歌舞伎町界隈で、年商10億円の女社長といえば、私くらいではないでしょうか。

◆歌舞伎町で「人たちの欲望」に触れた

 こう聞くと、「たまたま運がよかったんでしょ?」「金主がいるんでしょ?」と勘繰りをされそうですが、そうではありません。もちろん、多少の運はありますが、私がこの15年間、ここまでやってこられたのは日本一の歓楽街・歌舞伎町で「人たちの欲望」に触れて、注意深くたくさん見てきたからです。

 少し生意気な言い方をすると、その一連の体験から「人の野心」を、「人の欲」を読み解き、時に叶えてあげることができるようになったからだと思います。ここでの「野心」と「欲望」の定義は以下のとおりです。

●野心=分不相応な将来的な望み
●欲望=今すぐ満たしたい望み

 私がお伝えしたいのは「ちいさな欲望」を大切にすることの重要性です。ちょっとした物欲や食欲であっても、それを真剣に考えて、叶えること。そんな習慣を積み重ねられる人こそ、「大きな野心」を叶えることができるのです。

 今回は、私が歌舞伎町で出会ったなかで、最も欲望に忠実な人物、中川さんについて紹介したいと思います。彼や、歌舞伎町に集う人たちの日常を知ることによって、みなさまも小さな欲望を持つことの大切さを知っていただけたらと思います。

 私がお客さんとして中川さんと出会ったのは、10年くらい前。経営者でもある中川さんは勉強が好きで、誰より現場を重視する人。社員や自分にかかわる人たちの成長を一番に考える彼の姿に、出会ったばかりの私は感動していました。

 しかし、中川さんはただの「利他の人」ではありませんでした。むしろ、欲望に素直で忠実です。何よりもびっくりしたのは、中川さんの欲望が全部「飲むこと」に集約されていること。その徹底ぶりは、水商売を営む私から見てもほれぼれするほどでした。

 中川さんの「飲む」という欲望は、並大抵のものではありません。

「経営会議で会社のある保険を解約すると1500万円経費削減できることがわかったんだよ。1500万円あったらもっと飲めるでしょ!」

 頭の中は、そういうふうになんでもかんでも余ったお金は全部飲み代にまわそうという思考回路です。

 また、中川さんは毎日の「ちいさな欲望」をとても大切にします。

◆その日食べたいものを食べる

 例えば、中川さんが今日、エビチリとチャーハンが食べたかったとします。それなのに接待で和食の店に行かなくてはいけなかった。すると、中川さんは和食にはほぼ口をつけずにウチの店に来たら、黒服に出前を頼んでまで、それを食べようとするのです。

 さらに、接待のときに、女の子の誰を連れて行くかにもすごくこだわります。