どうして大金を残して死んだのか(写真は、あいりん労働公共職業安定所)

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大阪市西成区役所が政府の「官報」に掲載した「行旅死亡人告示」が驚くべき内容だったとしてネット上で話題になっている。

この「行旅人死亡」というのは、いわゆる行き倒れた死者で、名前も住所も分からず、そして遺体の引き取り手もいない人を表す法律上の呼称だが、一泊800円からという簡易宿所で首をつっていたその男の人は、現金2095万4577円を所持していた。

宿泊代は一泊800円から

その告示は2016年年10月24日付けの官報「第138号」に掲載された。それによると、亡くなっていたのは年齢が40歳くらいの男性で、身長は168cm、 黒色ハーフパンツを身に付けていた。遺留品は財布2個、テレホンカード 、競馬のオッズカードなどがあり、遺留金品は「現金2095万4577円」 と書いてある。死んだ場所は一泊800円からの簡易宿所の部屋の中で、「縊死の疑い」(首つり自殺の疑い)。推定死亡時刻は16年8月20日で、9月18日に発見された。火葬は終わっている。

西成区は、告示で心当たりのある人は西成区保健福祉センターまで申し出て欲しいと呼びかけている。

ネット上では簡易宿所で寝泊まりしていた人が2000万円以上もの現金を所有していることに驚きが広がり、掲示板に、

「どうせ死ぬなら豪遊して全部使い切ったら良かったのに」
「使えない金だったのかな なんかの絡みで」

などと騒然となった。

親族が名乗り出て見つかる可能性は低い

J-CASTニュースが16年12月13日に西成区役所に取材したところ、ネット上で話題になっている官報は確かに同区が提出したものだと認めたうえで、

「親族が名乗り出るなどして見つかった場合には所持金をお渡しすることになるが、この手の場合は可能性が低いのが普通です」

と担当者は打ち明けた。

親族などが見つからない場合、管財人を選定し、現金は市や区にではなく、国庫に収納されるという。