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9月25日まで東京・森アーツセンターギャラリーにて開催されているルーヴル美術館特別展「ルーヴル No.9 〜漫画、9番目の芸術〜」。これから夏休みに訪れようという人も多いかもしれません。そこで、事前に知っていたらもっと楽しめる見どころを紹介します。

日本とフランスの16人の漫画家たちが、ルーヴルをテーマに描いた作品を展示しているこの特別展。大きくわけて3つのパートに分かれています。

第1章 偉大なるルーヴル美術館 The Great LOUVERE
まず現れるのは、ルーヴル美術館の代表的作品「サモトラケのニケ」の原寸大レプリカです。漫画の世界へと導いてくれるよう。



ここでは谷口ジロー氏による「千年の翼、百年の夢」やエティエンヌ・ダヴォドー氏による「寄り目の犬」など5名の作品が展示されています。

第2章 ようこそ、異次元の世界へ


第1章ではルーヴル美術館の表の姿が紹介されましたが、ここでは知られざる裏の顔を見ることができます。荒木飛呂彦氏による「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」では、大胆な構図と特徴的な色彩が作品だけでなく、壁一面に表現されているため、独特の作品世界に入り込むことができます。





第2章の特徴は全体が不思議な世界観に包まれているということです。マルク=アントワーヌ・マチュー氏による「レヴァリュ美術館の地下」では永遠に続くモノトーンの世界が表現され、エンキ・ビラル氏の「ルーヴルの亡霊たち」では少し背筋が寒くなるような空間が演出されています。ほかにも松本大洋氏の「ルーヴルの猫」など第2章では6名の作品が展示されています。

第3章 時空を超えて


第3章では普遍的な存在感を放ち続けるルーヴル美術館が紹介されています。第2章のパラレルワールドとはガラリと雰囲気が変わり、明るく未来的な空間が広がります。

ここでは坂本眞一氏による「王妃アントワネット、モナリザに逢う」やニコラ・ド・クレシー氏の「氷河期」など5名の作品が展示されています。またヤマザキマリ氏の「美術館のパルミラ」は本展のための描き下ろし作品で、今回は会場で作品を読みきることができるのが嬉しいですね。

■撮影可能なフォトロケーションや音声ガイドでもっと楽しめる


今回の特別展では、作品だけでなくその演出にまで細かなこだわりを見ることができます。オープニングイベントで「ルーヴル美術館は現代社会に寄り添い、ともに歩み続けている」と総監修を務めた、ルーヴル美術館のファブリス・ドゥアール氏が語るように変化を恐れないルーヴル美術館だからこその取り組みとも言えるでしょう。

また、同じくオープニングイベントに参加したのは特別展を盛り上げるイメージキャラクターである菜々緒さんと、音声ガイドを務める神谷浩史さん。



来場者が展示物と一緒に写真を撮れるという嬉しいフォトロケーションが3つ用意されていたのですが、その一つが菜々緒さんをモデルに坂本眞一氏が描いた作品です。ぜひ並んで写真を撮りたいですね。

そして作品の魅力をぐっと深めてくれるのが神谷浩史さんの音声ガイド。通常の展覧会と違い、個性の違う16名の作品を体感できるのがこの特別展の魅力です。案内人としてだけでなく、時には登場人物を演じたり、時には漫画好きの神谷さんとして話してくれる音声ガイドのおかげで、それぞれの作品の世界観をより満喫することができました。



「MANGA is Art.」。この夏はぜひルーヴルも認めた芸術としての漫画を楽しんでみてはいかがでしょうか。

■開催概要
ルーヴル美術館特別展「ルーヴル No.9 〜漫画、9番目の芸術〜」
会期:2016年7月22日(金)〜9月25日(日)
会場:森アーツセンターギャラリー 六本木ヒルズ森タワー52階
住所:東京都港区六本木6-10-1

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副編集長 西岡舞子