iPhoneやXperiaユーザーも欲しい! スライドキーボード内蔵で復活をかけるブラックベリー

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ビジネスパーソン必須のツールとして一時は世界1の人気スマホだったブラックベリー。
数年前はアメリカ映画のオフィスのシーンでは必ずと言っていいほど、出演者の手にはブラックベリーがあった。だがそれも今や過去のものとなり、映画に出てくるのはiPhoneやAndroidスマホばっかりだ。

ブラックベリーの人気の秘密は、画面の下に組み込まれたフルキーボードだった。キーは小さいものの、両手を使うと驚くほど速く正確に文字を打つことができた。しかもキータッチが秀逸で、長文のメールやメッセージをついつい打ちたくなる、そんなスマホだった。

世界1だったキーボードのブラックベリーは、キーボードレスのライバル機種にシェアを徐々に奪われ、利用者の数は減る一方だ。ライバル機種に対抗するため同じキーボードレスのフルタッチスマホを出したものの、人気回復には至っていない。また、従来スタイルのキーボードスマホは、画面が半分になるため、最近の大型画面スマホ主流の市場では劣勢だった。

ブラックベリーといえばキーボード。だがキーボードを搭載すれば画面サイズが半分になってしまう。
一方、キーボードを無くせばフルサイズ画面になるが、キーボードというブラックベリーの魅力が無くなってしまう。


普通のスマホのようにタッチ操作で利用できるVenice(出典:Baka Mobile)


そこでブラックベリーが考え出したのが、フルタッチスマホにスライド式のキーボードを搭載するというスタイルだ。
これなら普段は普通のスマホとして利用でき、長文をタイプしたいときだけキーボードを引き出して利用できる。そんな機構を持った最新モデル『Venice』の写真がカナダのニュースサイトに掲載され、大きな話題になっている。

掲載された動画によると、Veniceは大型ディスプレイを搭載した普通のスマホに見える。
このままタッチ操作であらゆる機能を使うことができるようだ。文字入力も画面表示されるソフトキーボードから行える。だが本体下部をスライドさせると、みなれたブラックベリーのフルキーボードが一瞬にして現れるのだ。


本体裏側をスライドさせると押しやすいフルキーボードが現れる(出典:Baka Mobile)


スライドのギミックは機械を動かすかのような楽しさもあり、ついつい必要もなくキーボードのスライド操作を繰り返してしまいそうだ。これは折り畳み式のガラケーを、意味もなく開けたり閉めたりして、癖になることに似ているかもしれない。なおキーボードの表面はタッチパネルのようになっており、キーボード上を指先で上下にスワイプさせると、画面をスクロールさせることもできる。

Veniceは現行のブラックベリーユーザーだけではなく、iPhoneやXperiaなど他社のスマホを持っているユーザーの多くからも「欲しい」「カッコイイ」という声が寄せられている。
価格やスペックは未定だが、発売されれば人気モデルになることは間違いないだろう。
同社が得意とするキーボードをフルタッチスマホに内蔵させたVeniceは、ブラックベリー復活を大きく後押しするモデルになるかもしれない。


山根康宏