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●「芸能界に興味なかった」
『ホットロード』や『暗殺教室』などの映画、フジテレビ系ドラマ『she』など、昨年から今年にかけて話題作への出演が続いている女優がいる。堀北真希の背中を追いかけて、オーディション雑誌を手に自ら応募したのが約5年前。頭角を現しはじめた竹富聖花(20)に舞い込んできたのは、刺激的な役柄だった。

私立恵比寿中学・柏木ひなた(16)とW主演を務める『脳漿炸裂ガール』(7月25日公開)は、ニコニコ動画の関連動画再生数4,000万回を超える楽曲を原作とした作品。ボーカロイド曲を実写化するのは今回が初めてで、劇中ではとある学園内で生き残りをかけたデスゲームが巻き起こる。

竹富が演じるのは、学内の誰もが憧れるお嬢さま・稲沢はな。全国模試では毎回1位をとる才女で、さらさらロングヘアー。ところが誰にも明かしていない別の顔があり、演技力が試される役どころとなっている。上京を自ら決断する強さを秘めた竹富にも、誰にも見せていない素顔がきっとあるはず。完成披露イベント直前の竹富を直撃した。

――私の勝手なイメージですが、才色兼備のお嬢さまという役どころは竹富さんにぴったりだと思いました。ご自身の学生時代と比較していかがですか。

全くそんなことありません(笑)。真逆…というかみなさんと同じように普通の中高生でした。女子校に通っていたのですが、みんなアクティブで元気いっぱい。すごく仲良くて、思っていることも言い合えるようなとてもいい関係が築けていたと思います。だから、仲良くてもケンカする時はします。みんなでバスケしたり、テニスしたり。外で遊ぶことが多かったです。

今回の「聖アルテミス女学院」という学校も女子校ですが、私の母校とは違ってすごくプライドの高いキャラクターが登場します。それぞれの家柄もあって、気軽に思ったことを口にできない緊張感のようなものがあります。その中で、監督からは「育ちの良さそうな振る舞い」を求められました。姿勢を良くしたり歩き方を上品にしたり。そのイメージに近づけるように気をつけました。

――私立恵比寿中学の柏木ひなたさんは劇中では同級生役ですが、実年齢は4つ年下。やはり現場では、妹的な存在になりますか。

とてもかわいくて、妹っぽい魅力のある女の子です。ただ、シリアスなシーンが多かったので、私も自分のことで精いっぱいで。ほかの出演者の方も含めてみんなキャラクターが濃かったので、しゃべりかけると迷惑になると思いました。仲は良かったんですけど、現場でたくさん話すことはあまりなくて。撮影も終わりが見えてきた時に、やっとリラックスして打ち解けることができました。

――確かにクラスメイトと生き残りをかけて戦っているわけですから、真剣勝負ですよね。ちなみに生き残れる自信は?

クイズすっごく苦手なんです。セリフをもとに演じることはできても、カットがかかった時に「あれはどういうことだろう?」と思うことばかりで(笑)。だから、私が本当にこのゲームに参加したら、すぐに死んでしまうと思います。

――中学卒業後、堀北真希さんに憧れて事務所の新人募集オーディションに自ら応募したと聞きました。地元・愛知からの上京でしたが、すごい決断力ですね。

思い立ったら、まずはやってみるタイプです。もともと芸能界に興味があったわけではないのですが、小さい頃からよくドラマは見ていました。中学卒業後の春休みがすごく暇で、なんとなく応募してみようと思ってオーディション雑誌を買ったのがきっかけでした。(堀北)真希さんの作品は昔から見ていましたし、好きな女優さんだったので今の事務所に応募しました。それから電話が掛かってきて、その後に所属して…という流れです。オーディション雑誌を買ったのもその時が初めてでした。

●仕事の話をしない家族に「リラックス」
――芸能の仕事はいろいろ大変だと思いますが、すぐに向き合うことができましたか。

上京した時から仕事としてがんばろうとは思っていました。デビューさせていただいてから5年が経ちました。もちろん、嫌なことやつらいこともありましたけど、私が住んでいた寮には同じ業界の子たちがいて、お互いにしゃべって不安や悩み、愚痴もその日のうちに解消していました(笑)。慰められて、時には私からも励まして。みんな同じ事務所なので、もちろん今でも連絡を取り合っています。今は寮から引っ越しましたが、うちから徒歩5〜10分ぐらいのところに住んでいる子もいるので寂しくありません(笑)。

――その中のお一人だと思いますが、ブログにはシンガーソングライターの沢井美空さんが度々登場していますね。

美空としか遊んでないんじゃないかというくらい、ずっと一緒にいます(笑)。デビューした時期が一緒で寮も一緒。互いに支え合っている感じだと思います。居心地がいいだけではなくて、すごく頑張っているので刺激や励みになります。

一緒に旅行したり、一緒に番組をしたり…そんな将来の楽しみとなるようなことを語り合ったりすることが多くて。主演をさせていただいた『空と海のあいだ』(2014年公開)で美空が主題歌を担当して、仕事で関わったのはその1回。書き初めでそのことを書いて本当に叶ってしまったので、次は何にしようかなって2人で話しています。

――この作品のテーマになっている"一蓮托生"といえる間柄でしょうか。

"一蓮托生"というとすごく重い気がします(笑)。「運命を共にする」というよりも、お互いの自由を尊重している感じというか。美空は家族みたいな存在。"一蓮托生"という言葉で勝手にイメージしていたのは結婚相手なのかなと。

――最近は出演作も増えていますが、ご家族はどのような反応ですか。

うーん…あまり仕事のことについては聞かれません(笑)。でも、愛知で撮影があった時は、母と2人の妹と3人で見に来てくれました。妹からも仕事についてはあまり聞かれませんし、私も学校のことをあまり聞いたりしません。実家に帰ったら一緒にプールに行ったり、ドライブに行ったり。そうやってリラックスして過ごしています。

――ドライブといえば、ブログには「5月7日はランボルギーニのお誕生日〜という記事を読んで興奮した」など車のことが時々書かれています。車好きになるきっかけは?

上京した時、街を歩いていたら見たことない車がたくさん走っていることに気づきました。自然とエンブレムを覚えるようになって、気になってその車種を調べるようになって。その答え合わせを繰り返していくうちに少しずつ詳しくなっていったと思います。覚えている中で最後にいいなと思ったのはシボレーの赤いトラック。すっごく興奮して、それ以来はシボレーが好きになりました。アメ車が基本的には好きですが、イギリス車もドイツ車も魅力が分かるようになったので、最近は"車"という存在自体が好きです。日本車もプリウスとかハイブリッドで静か。日本の職人さんの技術を感じます。

――好きな物への入り込み方が独特ですね(笑)。ほかに同じようにハマったものは?

一時期、コーヒー豆にハマりました。あとは…創業者の方の本を読んだり。ヒット商品はなぜこんなに人気なんだろうと思ってそういう本を読んで、マーケティングやお金の使い方を知ることができたので、それ以上は調べることがなくなりました。でも、今でもその話題になると熱心に話したくなります(笑)。

――大切な存在である沢井美空さんとのことや、仕事や車など、竹富さんのブログは不定期ですが、さまざまなことがつづられています。タイトルの「ふくろう便」にはどのような思いが込められているのでしょうか。

『ハリーポッター』で出てくるヘドウィグなどの"ふくろう便"から付けたタイトルです。ふくろうが手紙を運んでいるのですが、ウェブから手紙を届けるような気持ちで書いているので、そういうタイトルになったのだと…デビューしたばかりの頃なのであまり覚えていませんが、そんな理由だったと思います(笑)。

■プロフィール
竹富聖花
1995年3月24日生まれ。愛知県出身。2011年にTBS系ドラマ『ヘブンズ・フラワー 〜The Legend of ARCANA〜』でデビュー。2013年7月公開の『生贄のジレンマ』で映画初主演を務めた。そのほか、『人狼ゲーム』(13年)、『ゆめのかよいじ』(13年)、『ホットロード』(14年)、『空と海のあいだ』(14年)、『暗殺教室』(15年)などの映画に出演。

(水崎泰臣)