「空飛ぶバイク」を米国防総省が採用(動画あり)

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2014年に「Kickstarter」で注目を集めた、英企業による「空飛ぶバイク」が、米国防総省に採用されることになった。自動操縦も可能で、供給品の運搬や偵察に使われると見られる。

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2014年に「Kickstarter」プロジェクトとして登場して話題を呼んだ(日本語版記事)英国製のホヴァーバイク「Malloy Hoverbike」が、米国防総省に採用されることになった。

6月15日〜21日(現地時間)に開催された「パリ航空ショー」で、英国バークシャー州を本拠とするMalloy Aeronautics社は、米国メリーランド州において、ホヴァーバイクの開発と製造を行うと発表した。米国メリーランド州に本拠を置き、国防総省の防衛関連の請負を長年務めているSurvice Engineering社と提携してのことだ。ホヴァーバイクの開発には、米国陸軍研究所(ARL)も加わる予定だという。

Malloy Aeronautics社が開発したMalloy Hoverbikeは、当初のデザインではローター(回転翼)が2個のバイコプターだった。カーボンファイバーのシャシーの中央にオートバイのエンジンを搭載し、前と後ろに2個の巨大なプロペラが付いていた。

しかし、最終的には一般的なクアッドコプターのデザインが採用され、バイコプターのデザインは破棄された。その理由は、「現在の技術では、確実な、競争力のある販売をするために十分なほど安い価格でバイコプターを設計することができなかった」からだという。

現在のMalloy Hoverbikeは、座って乗るタイプの巨大なクアッドコプターだ。ガソリンエンジンではなく、電気モーターとリチウムイオンバッテリーを使用すると思われる。次の動画で紹介されている「P2」モデルは、100kgを持ち上げることができるようだ。

ヘリコプターの運用にはかなりの費用がかかるため、米軍がホヴァーバイクで代用できる場合があるとMalloy Aeronautics社は考えている。

最新式のクアッドコプターと同様に、Malloy Hoverbikeもいくつかの操作モードを備える予定だ。兵士が座ることもできるし(ただし、操縦方法はまだ明らかではない)、事前に決められた飛行経路を自動でたどることもできる(大量の供給品を積み込んだ状態や、地域を監視する目的などが考えられる)。あるいは運搬用ラバのように、リーダーについていくよう命令することもできる。

Survice Engineering社のマーク・バッキーウィッツによると、次のステップは、「軍事要件を満たすプロトタイプの制作」だという。

なお、国防総省では1950年代から、さまざまなホヴァーバイクや、それ以外でヘリコプターの代わりになるものを開発してきたが、大して成功していないことを指摘しておくべきだろう。ただし、最近はクアッドコプターの技術や軽量リチウムイオンバッテリーも成熟してきており、今度こそうまくいくかもしれない。

Malloy Hoverbikeでは、ローターブレードはフレームに収められているため、接近して作業を行うときにはヘリコプターよりも安全だ。障害物にぶつかったり、人の手足を切り落としたりすることをそれほど心配しなくても済む。

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