殺されることがわかっている。目隠しされ、首に縄をかけられ、足元の床が抜ける。でも、それがいつ実行されるのかはわからない。明日かもしれないし、十年後かもしれない。罪もない人の命を奪ったことに対する刑罰としての死刑なのだから、そんなのは当たり前だ、と言われればその通りだろう。けれど、自分が確実に殺されることがわかっていながら、それがいつなのかもわからないままに、毎日を生かされている。それが死刑囚だ。現