夏の涼みは両国の出船入り船屋形船上がる龍勢星くだり玉屋が取り持つ縁かいな花火大会は、江戸の遺風ともいえる行事であり、嬉しい夏の風物詩でもある。私の体験で恐縮だが、母方の実家は九州地方のとある温泉地で呉服商を長く営んでおり、夏の花火大会では自店の提供で何発かの花火を上げていた。幼いころはどの花火が自分のうちのものかと見極めようと一生懸命に空を見たものだが、もちろんそんなことができるはずもなく、次から