「九尾の狐(きゅうびのきつね)」をご存じだろうか。平安時代の妖怪のことである。栃木県那須町にはこんな伝説が残っている。平安時代、ある帝に「玉藻の前」という美しい妃がいた。ところが帝は病に倒れ、床に伏せる。陰陽師がこれを「九尾の狐」の仕業と見破ると、「玉藻の前」は狐の姿に戻り、逃げ去った。那須の地まで追われた「九尾の狐」はついに退治され、巨大な石に化身し、毒気をふりまいて、人々に被害を与えたという。