好書好日
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砂原浩太朗さん「藩邸差配役日日控」 お屋敷のトラブル解決「何でも屋」にじむ仕事への思い
作家の砂原浩太朗さん 架空の神山藩を舞台にした時代小説「黛家(まゆずみけ)の兄弟」で昨年の山本周五郎賞を受けた作家、砂原浩太朗さんの新シリ…
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遠くに伝わること 柴崎友香
拙著『寝ても覚めても』のベトナム語版が届いた。自分の小説の外国語版が届くと、まず本のデザインが多様で個性的なことに驚く。ベトナム版は、ブル…
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「北関東の異界 エスニック国道354号線」 「胃袋」から探る異文化の共生 朝日新聞書評から
「北関東の異界 エスニック国道354号線」[著]室橋裕和タイトルにある国道354号は、茨城県鉾田市から群馬県高崎市に至る全長約170キロメー…
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「スカートと女性の歴史」書評 時代によって変わる自由の象徴
「スカートと女性の歴史」[著]キンバリー・クリスマン=キャンベル5月下旬まで東京都現代美術館で開催されたクリスチャン・ディオール展。会場…
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「資本主義の次に来る世界」書評 想像力を刺激 必読の脱成長論
「資本主義の次に来る世界」[著]ジェイソン・ヒッケルフランスから広まった脱成長論は、コロナ禍を背景として日本でも近年話題になり始めた。た…
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「棕櫚を燃やす」書評 娘と病父「あまさず暮らす」日々
「棕櫚を燃やす」[著]野々井透2020年春以降、押し売りのごとく、心に踏み込んでくる言葉があった。それが「大切な命」である。この言葉を…
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「岡倉天心とインド」書評 宗教改革運動家との交流の影響
「岡倉天心とインド」[著]外川昌彦岡倉天心と言えば、この国の美術について考えるうえで欠かすことのできない存在だ。だが、著名な一節「アジア…
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「鉄のカーテンをこじあけろ」書評 秘密を明かす元共産主義者たち
「鉄のカーテンをこじあけろ」[著]ジョン・ポンフレット昨年来のロシアによるウクライナ侵攻に伴い、冷戦後のNATO拡大の経緯に改めて注目が…
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「ワグネル プーチンの秘密軍隊」書評 傭兵の人生観と感情が浮かぶ
「ワグネルプーチンの秘密軍隊」[著]マラート・ガビドゥリンワグネルと称する傭兵(ようへい)部隊の名は、ドイツの作曲家ワーグナーのロシア…
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「死刑すべからく廃すべし」書評 現代に問う明治期の手記
「死刑すべからく廃すべし」[著]田中伸尚国家が人の命を奪う死刑は、本当に必要なのか。強い疑問を抱き続けた教誨(きょうかい)師が明治期にい…
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映画「渇水」主演・生田斗真さんインタビュー 滞納者への「停水執行人」が向き合う不条理、そして葛藤
(C)「渇水」製作委員会お話を聞いた⼈生田斗真(いくた・とうま)1984年生まれ、北海道出身。2010年公開「人間失格」で映画初出演にして初主演。…
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読了後の衝動 自分と「外部」、つなげたい 古川日出男〈朝日新聞文芸時評23年5月〉
絵・黒田潔ある作品を読み終えて、衝(つ)き動かされるということがある。たとえば東京都西部の日野市に行ってしまうとか。この日野という土地に行…
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門井慶喜さん「文豪、社長になる」 雑誌「文芸春秋」創刊100年、人気作家・菊池寛の経営手腕は?
文芸春秋社にある菊池寛の肖像画の前でポーズをとる門井慶喜さん(C)文芸春秋今からちょうど100年前、作家の菊池寛(1888〜1948)が雑…
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平田竹男さん「世界資源エネルギー入門」インタビュー 二刀流で臨む研究の果実
平田竹男さん早稲田大の一般教養科目として16年続ける講義を書籍化した。最新のデータをふまえ、ロシアや中国、中東などのしたたかな戦略も掘り下…
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「我、過てり」 しくじりで描く戦国期の男たち 谷津矢車が薦める新刊文庫3点
谷津矢車が薦める文庫この新刊!『我、過(あやま)てり』仁木英之著ハルキ文庫880円『刀と傘』伊吹亜門著創元推理文庫814円『織田…
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「シン・物流革命」鈴木邦成さんインタビュー 先端技術取り込み、夢ふくらむ進化
未来の物流の可能性について説明する鈴木邦成・日本大学教授=東京都大田区の東京流通センターで、撮影・松嶋愛お話を聞いた⼈鈴木邦成(すずき…
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文庫ランキング(紀伊国屋書店全店、2023年5月24日 〜 5月30日)
52ヘルツのクジラたち(町田そのこ、中公文庫)クスノキの番人(東野圭吾、実業之日本社文庫)正欲 (朝井リョウ、新潮文庫)怪物 - 【映画ノベライ…
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木村紅美さんの読んできた本たち 転校先のいじめ、苦境を支えた「はてしない物語」と「風葬の教室」
お話を聞いた⼈木村紅美(きむら・くみ)1976年生まれ。2006年、『風化する女』で第102回文學界新人賞を受賞しデビュー。2022年、『あなたに安全…
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信州の里山で未来を夢想する 玉村豊男(エッセイスト・画家・ワイナリーオーナー)
画・玉村豊男老い先が短いというのに、先のことが気になってしかたがない。もともと過去には興味がなく、いつも明日からのことを考えているのだが…
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創造と盗用、表現の本質に向き合う「エタンプの預言者」「鈍色幻視行」 鴻巣友季子の文学潮流(第2回)
©GettyImages「文化盗用(cultural appropriation)」という言葉を見かけるようになって久しい。例を挙げれば、セレブ一家のキム・カダーシア…
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宗教という視点から関係の多面性を描き出す「迷えるウクライナ」 詫摩佳代が選ぶ新書2点
『迷えるウクライナ宗教をめぐるロシアとのもう一つの戦い』激動の国際情勢をよりよく理解し、日本の役割を考える上で手掛かりとなる2冊を紹介す…
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「ラストサマー・バケーション」東洋トタンさんインタビュー ヤングケアラーの闇をサスペンス漫画に
【あらすじ】明るくてかわいくて、クラスの人気者の美月。病気の母を献身的に介護する彼女はどこから見ても完璧な「良い子」だった。そんな彼女とは正…
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三島由紀夫賞に朝比奈秋さん「植物少女」、山本周五郎賞に永井紗耶子さん「木挽町のあだ討ち」 選考のポイントは
三島賞の朝比奈秋さん(左)と山本賞の永井紗耶子さん第36回三島由紀夫賞と山本周五郎賞が16日に決まった。三島賞は朝比奈秋さんの「植物少女」…
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山崎章郎「ステージ4の緩和ケア医が実践する がんを悪化させない試み」 「死を待つだけ」を覆す情熱 正解はわかるわけないけど
著者と僕の最初の出会いは30年前、一冊の本だった。タイトルは『病院で死ぬということ』。医学を学び始めたばかりの僕にとっては、自分が抱いてい…
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大佛賞受賞記念、星野博美さん講演会 6月3日に横浜で
星野博美さん 『世界は五反田から始まった』(ゲンロン)で第49回大佛(おさらぎ)次郎賞を受賞したノンフィクション作家・星野博美さん=写真=の…
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新書ランキング(丸善 丸の内本店、2023年5月18日〜5月24日)
敵対的買収とアクティビスト(太田洋、岩波書店)柄谷行人『力と交換様式』を読む(柄谷行人、文藝春秋)時間の終わりまで物質、生命、心と進化す(…
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堀元見・水野太貴「言語オタクが友だちに700日間語り続けて引きずり込んだ 言語沼」 身近だが謎の多い対象、漫才的に
『言語オタクが友だちに700日間語り続けて引きずり込んだ言語沼』本書の特徴は、言語学者が言語について語ったものではなく、言語と言語学を愛好…
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千街晶之さん注目のミステリー3冊 対決する相手、人間とは限らない
ゴリラ裁判の日禁断領域イックンジュッキの棲む森WALLミステリーというと、緻密(ちみつ)な計画で完全犯罪を目論(もくろ)む頭脳犯と、そん…
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「谷川俊太郎 絵本★百貨展」のココがおもしろい! 3つの百貨“てん”で、ことばと遊ぼう
百貨“展”で、バラエティ豊かな絵本の世界を体感!谷川さんが手がけてきた絵本は、ことばあそび、ナンセンスの楽しみ、生と死や戦争など、コンセプ…