【レポート】約3%の確率で自動販売機からピンク色の「お〜いお茶」が!? - 伊藤園の担当者にその経緯を聞いてみた
緑茶飲料発売30周年を記念し、「お〜いお茶」のパッケージが期間限定バージョンで販売されている。同時に同製品として、味にも大きなリニューアルを加えているという。筆者も今年で32歳。ほぼ同級生といっていいだろう。そんな「お〜いお茶」だが、現在、自動販売機に通常版の緑色のボトルではなく、期間限定バージョンのものでもない、ピンク色のボトルが仕込まれているという話を聞いた。試しに買ってみたものの、出ない……。そこで、伊藤園の担当者にその真相を聞いてみた。
――自動販売機で「お〜いお茶」を購入すると、ピンク色のボトルが出ると聞きました。これは今回リニューアルしたデザインとは違うものなのでしょうか。
はい。違うものになります。このボトルを手にした人に、少しでも幸せな気持ちになってもらったり、楽しんでもらえたら。と、そんな気持ちでデザインしたモノになります。約3%の確率で出てくるように調整しております。
――わずか約3%の割合しか入っていないんですね。その確率は日本全国で変わらないのでしょうか。地域差などはあるのでしょうか?
地域差はありません。全国平等の確率で調整しております。
――桜デザインのボトルは期間限定とのことでしたが、この特別仕様のボトルも同じく期間限定なのでしょうか。
はい。桜デザインのボトルと同じ期間限定のものとなります。具体的には4月以降には、順次通常パッケージに切り替わる予定です。したがって、このピンクボトルと出会えるのも、残りわずかになりますね。
――あと2週間弱ということですね。パッケージだけでなく今回は、味も大きく変えたとのことでしたが、具体的にはどのような変化を加えたのでしょうか。
おいしくなった理由は、大きくふたつございます。ひとつ目は、香りをさらに高めたことです。「お〜いお茶」のために開発した、鮮度高く香りがぎゅっと詰まった専用茶葉を増量することで、香りを高めることができました。伊藤園では、お茶の香りを高めるために、専用の茶畑を、何もないところから耕し、ていねいにていねいに、土づくりから始めております。地道な努力によって、その取り組みが拡大し、「お〜いお茶専用茶葉」の増産が可能となっているんです。
ふたつ目は、さらにまろやかで味わい深くなったことです。お茶のおいしさは、"火入れ"で決まると言っても過言ではありません。伊藤園では、熟練した茶師が、途方もない量の茶葉の形や状態を見極め、独自の火入れ製法で、それぞれの「香り」「旨み」「渋み」をバランスよく引き出し、まろやかで深い味わいを実現しております。火入れは和食の調理に似ています。素材の良さを引き出し、味わいを豊かにします。培った経験をもとに、検査機器では出にくい繊細な味や香りを引き出すのです。
――長年愛されているブランドの味を変えることはかなりのチャレンジだったのではないでしょうか?
私たちはいつも、お客様に「最高」にご満足いただける味わいを追求しています。長年愛飲していただいている方々はもちろん、たくさんの方々においしいと感じていただけるよう、これからもチャレンジしてまいります。
「お〜いお茶専用茶畑」では、試験中ではございますが、茶葉の品質を高めるため、人工衛星で生育を管理する「リモートセンシング技術」を導入し、長年の知識と経験をもった茶師の目と併せて、茶葉の状態をダブルチェックしております。お茶は生き物ですから、摘み採りのタイミング次第で、旨みや栄養成分が異なります。最適な摘み採り時期を見極める取り組みは、非常に重要なことであり、これも畑づくりから取り組む我々ならではのメリットなんです。
――実際に"新味"を飲んだ消費者の方からはどのような意見が届きましたか?
幸いなことに、とても好評をいただいております。これからも、伊藤園の「お〜いお茶」をよろしくお願い致します。
――ありがとうございました。
実際に見せてもらった自販機限定でなおかつ3%の確率でしか出ない特別仕様の「お〜いお茶」は、通常版のものを見慣れている人にとっては驚くほど全体がピンク色になっているボトルだった。あと2週間しか出会うことのできない限定ボトル。お茶が飲みたくなった際には是非、チャレンジしてみてほしい。
(瀬戸稜)