過去のCSでも結果を残しているソフトバンク打線の頼れる大黒柱・内川聖一 © KYODO NEWS IMAGES INC

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◆秋山監督退任の衝撃 打線の奮起に期待

 リーグ優勝ソフトバンクと3位日本ハムの対戦となったパ・リーグクライマックスシリーズファイナルステージが10月15日より始まる。ソフトバンクは3年ぶり、日本ハムは2年ぶりの日本シリーズ進出を目指す。

 台風19号の影響もあり、日本ハムは移動日なしでファイナルステージ初戦を迎えるが、一方のソフトバンクも中12日での試合となり実戦感覚に不安が残る。前日(14日)になって、秋山幸二監督の今季限りでの退任という衝撃的なニュースも飛び込んできた。戦力的には、エースの攝津正が不調で、1年間ローテを守ってきた中田賢一やスタンリッジも抜群の安定感とまではいかない。となれば、パ・リーグトップのチーム打率.280、607得点を誇る打線がファイナルステージ突破のカギとなるだろう。

 今季、ソフトバンクの対日本ハムの打率は.282で、西武戦に次いで高い。しかし、主力野手陣で見ると、今宮健太が.196、吉村裕基が.286、明石健志が.278、李大浩が.277に1本塁打と決して好成績を残しているわけではない。柳田悠岐が.314、中村晃が.330と相性の良さを見せているが、何せ彼らはクライマックスシリーズでの経験に乏しい。2012年のクライマックスシリーズでは、柳田が2試合2打席、中村は代走1試合での出場にとどまっている。

 対戦打率で.316を残している長谷川勇也は足首のケガで出場が厳しい状況。期待がかかるのは、対戦打率.315、3本塁打の松田宣浩、そして.326の内川聖一だ。

◆落合以来の7年連続3割 稀代のヒットメーカーが日本シリーズに導く

 内川は今季、ケガで離脱することもあったが122試合に出場し打率.307、18本塁打。2008年から7年連続3割達成となり、右打者では落合博満以来2人目の快記録だ。

 日本ハムの主力投手陣との対戦成績は、大谷翔平に対して12打数2安打、打率.167と抑えられているが、初戦に先発する浦野博司に対しては8打数2安打、打率.250。2戦目以降に先発が予想される中村勝に対しては11打数7安打、打率.636と打ち込んでいる。ほかには、メンドーサに対し18打数7安打1本塁打で打率.389。クローザーの増井浩俊に対し5打数2安打、打率.400と相性がすこぶるいい。

 内川は過去のクライマックスシリーズでも結果を残している。2011、12年のクライマックスシリーズでは9試合すべてでヒットを放ち、33打数14安打、打率.424。2011年のファイナルステージ第1戦、第2戦では先制のタイムリーを放ち、MVPを獲得。チームの日本シリーズ進出に大きく貢献した。

 1勝のアドバンテージがあるとはいえ、どんなチーム、選手だってシリーズへの入り方は難しいもの。過去の経験と実績も武器に、内川がどれだけチームを引っ張れるかで戦いは大きく変わってくるだろう。

文=京都純典(みやこ・すみのり)