メジャー昇格は「実力」に「運」も必要
【グッドイヤー(米アリゾナ州)】インディアンスとマイナー契約を結んだ松坂大輔投手(32)が、12日から当地でのバッテリー組のキャンプに合流することが決まった。正式契約は11日以降ながら、球団側が発表した。西武時代からつけていた背番号「18」はイ軍で永久欠番のため、新たな番号で再スタートを切る。ライバルを乗り越えてメジャー契約を勝ち取れるかを、蛭間豊章記者のコラム「ヒルマニア」が占った。
3月に入ると、各球団は随時マイナー行き通告を行う。32歳で初めてマイナー契約を結び、招待選手としてキャンプ、オープン戦に臨む松坂は40人いるメジャー枠から、他の選手を蹴落とし、過酷な競争を勝ち抜かなければいけない。
昨年、日本での開幕戦で来日したマリナーズの川崎は、オープン戦で4割5分5厘の高打率を残し、マイナー契約からメジャー契約を勝ち取った。その際にイチロー(現ヤンキース)は「(自身がメジャーで)12年やってきて、あの(マイナー契約の)立場からそれ(メジャー契約)を奪い取るのがいかに大変かを見続けてきた」の言葉をふと思い出した。
日本人投手になると、1995年の野茂はマイナー契約で米球界入り。オープン戦で防御率0・82の結果を残し、先発ローテ入りを勝ち取った。ただ、その時は26歳。その10年後、再び野茂はデビルレイズとマイナー契約を結んだ。オープン戦の防御率が5・71と散々だったが、通算118勝の実績と先発5番手候補がいないチーム事情が重なり、辛うじてメジャーに滑り込んだ例がある。
その他に、06年のドジャース・斎藤(現楽天)や10年のメッツ・高橋(現カブス)らがマイナー契約から昇格を果たしたが、85年のブルワーズ・江夏や10年のヤンキース・井川(現オリックス)や11年のブレーブス・川上(現中日)らが夢を果たせなかった。実績があっても、そう簡単にはメジャー昇格を勝ちとれない。
昇格には、首脳陣に評価される投球内容を見せることが大前提。その上で期待されていた選手らの離脱や乱調などの“運”も必要だ。実力+運を呼び込んで初めて、メジャーという切符につながるが、松坂はどうか。=随時掲載=
昨年、日本での開幕戦で来日したマリナーズの川崎は、オープン戦で4割5分5厘の高打率を残し、マイナー契約からメジャー契約を勝ち取った。その際にイチロー(現ヤンキース)は「(自身がメジャーで)12年やってきて、あの(マイナー契約の)立場からそれ(メジャー契約)を奪い取るのがいかに大変かを見続けてきた」の言葉をふと思い出した。
日本人投手になると、1995年の野茂はマイナー契約で米球界入り。オープン戦で防御率0・82の結果を残し、先発ローテ入りを勝ち取った。ただ、その時は26歳。その10年後、再び野茂はデビルレイズとマイナー契約を結んだ。オープン戦の防御率が5・71と散々だったが、通算118勝の実績と先発5番手候補がいないチーム事情が重なり、辛うじてメジャーに滑り込んだ例がある。
その他に、06年のドジャース・斎藤(現楽天)や10年のメッツ・高橋(現カブス)らがマイナー契約から昇格を果たしたが、85年のブルワーズ・江夏や10年のヤンキース・井川(現オリックス)や11年のブレーブス・川上(現中日)らが夢を果たせなかった。実績があっても、そう簡単にはメジャー昇格を勝ちとれない。
昇格には、首脳陣に評価される投球内容を見せることが大前提。その上で期待されていた選手らの離脱や乱調などの“運”も必要だ。実力+運を呼び込んで初めて、メジャーという切符につながるが、松坂はどうか。=随時掲載=
1973年報知新聞入社。プロ野球の記録記者で"記録室"を長年執筆。現在は大リーグ担当。J SPORTSでMLB中継の解説も務める。