2月のUFC JAPAN、ティム・ブーシュ戦の2Rまで。そして8月のバディ・ロバーツ戦ではミドル級トップファイターの強さをいかんなく発揮していた岡見勇信。日本人であれだけの横綱相撲を、UFCで取ることができるのは岡見だけだ (C) GONGKAKUTOGI

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UFC155「Dos Santos vs Velasquez 2」が、29日(土・現地時間)にラスベガスのMGMグランドガーデン・アリーナで行われ、日本から岡見勇信が2012年最後の試合、3戦目に挑む。

まさかのUFC JAPAN敗北でスタートを切った岡見の2012年=再起の年。8月のバディ・ロバーツ戦で貫録のTKO勝ちを収めたことで、その黒星を帳消しとし、この年末のアラン・ベルチャー戦が改めて世界王座へ向けて前進できる一戦となる。

ベルチャーと岡見は、2006年8月、互いにUFCデビュー戦として戦い、岡見が判定勝ちを収めている。打撃でリードし、テイクダウンからパウンドやバックを取った岡見の動きは、ぜんまい仕掛けのロボットのように固かったが、今から振り返るとベルチャーも持ち味である活きの良さは全く出ていない一戦だった。

常にアグレッシブな姿勢で戦うベルチャーは、ジョルジ・サンチアゴ戦のハイキックKO勝ちや、微妙な判定で敗れた秋山成勲戦でのローなど、テコンドーとキックが混ざり合ったような蹴りに特色がある。その一方でテイクダウンを切って、パイルドライバーのような形で顔面から落としたり、寝技でもツイスターを見せるなど、意外性のある動きを見せている。

とにかく自らのリズムで戦うと、どんどんテンポと調子を上げてくるベルチャーだけに、岡見としてはしっかりと右リードジャブから、ケージレスリングで削っていきたい。ベルチャーのゴチャゴチャとしたリズムに付き合うことなく、、距離を取るところは取り、詰めるところはしっかりと詰め、自らが磨いてきた戦い方を貫けば、そうそう相手の攻撃を受けることはない岡見。今回もポートランドで事前の調整を選択した彼は、その間に盟友チェール・ソネンがコーチ役を務めるTUFシーズン17のアシスタントコーチという役目も果たした模様。日本人最強メジャーリーガーは、2013年に再び世界との距離を縮めるため、負けられないベルチャー戦に挑む。
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