ハーフナー選手は世界基準を目指せ!
フットボール界にはピーター・クラウチ選手やニコラ・ジキッチ選手のように2メートル近い体躯のフォワードが何人かいますが、世界最高峰のレベルに於いては必ずしも彼等がヘディングの名手というわけではありません。彼等程の長身になってしまうと何故かジャンプの踏み出しに力強さが感じられず、ヘディングをするためのスペース(ジャンプ地点)への動き出しにも難があるため、長身を誇りながら必ずしも空中戦に勝てるとは限らないのです。また、元ブラジル代表のソクラテス選手も192センチと長身でしたが、ヘディングはさっぱりで、華麗なステップとパスワークを得意とする中盤の選手でした。
要は長身とヘディングの強さにはさしたる相関関係がないということであり、ハーフナー選手が世界のトップレベルで通用するかは未知数であると言わざるを得ないのです。しかし、現在彼がザッケローニ監督の下で、今までにはなかったタイプの日本代表のストライカーとして多くのサポーターの注目を集めていることは間違いありません。Jリーグの得点王争いでも首位を走っておりますし、国内レベルでは苦労が報われて陽の目を見るようになりましたが、より高みを目指して奮闘して頂きたいと存じます。意外に足技がうまく、ポストプレーも出来るだけに、ヘディングに磨きをかけて2014年W杯では世界をアッと言わせるような活躍をして欲しいものです。
その前にアジア予選ですが、彼の高さはアジアレベルでは十分に脅威となるはずですので、まずはザッケローニ監督の信頼を確たるものにして、異色の日本代、ハーフナー・マイク選手の更なる成長を期待したいと存じます。
なお、余談になりますが、本来ならばハーフナー選手の前に高さで注目されなければならなかった平山相太選手がドン底より這い上がり、ハーフナー選手と共に和製ツイン・タワーとしてW杯の舞台で活躍するのを見てみたいのは私だけでしょうか。二人とも高さは勿論、足元のプレーは確かなので、奇想天外な発想ではないと思います。なでしこコジャパンがW杯を制するのですから、何が起こっても不思議ではないのが今の日本フットボール界。こちらも欲張って期待してみたいものです。
関連情報(BiZ PAGE+)
1955年、タイ王国バンコク市生まれのフットボールジャーナリスト