難しい展示内容もガイドがいれば大丈夫!【人とくるまのテクノロジー展2011】
5月18日から20日にかけて、神奈川県のパシフィコ横浜で開催された「自動車技術展・EV技術展 人とくるまのテクノロジー展2011」では、一般来場者向けのガイド付きのツアーという新しい試みが実施されました。
案内役は開催期間内に行われたフォーラム「交通事故死傷者ゼロをめざして〜予防安全の現状と展望」にパネリストとして出席したジャーナリストや大学教授です。ジャーナリストは清水和夫氏、金子浩久氏、島下泰久氏、岩貞るみこさん。大学教授は東京大学の鎌田 実氏。こうした自動車のスペシャリストたちがガイド役として、約20名の参加者を2時間ほどかけて展示会を案内したのです。
ガイドと参加者は展示ブースを訪れ、そこで各ブースの説明員が説明を行います。また、ガイド役はツアー参加者を代表して質問を投げかけたり、説明員の言葉をより詳しく説明することで、参加者が展示の内容を理解するためのフォローを行います。
そして、ぐるりと会場を見て回った後は、テーブルの用意された小部屋で雑談タイム。会場を見た感想や疑問をぶつけあいました。
夫婦で参加した若松さんは「勉強不足でEVのことがわからず、それを噛み砕いてくれるので分かりやすいですね」と満足げ。
また、仕事でフォーラムを覗き、飛び入りで参加した30代の会社員は「クルマは好きじゃないんですよ。でも、技術の話は面白いですね。普段、追っていないものを詳しい人を通すことでトータルで知ることができました。ただ、マイクとかがないので、離れていて説明が聞こえないこともありました」という意見も。
主催サイドに聞くと、今回のツアーは将来にむけての試験的要素も強かったとか。そのため参加者を大々的に募るではなく、清水氏のブログで告知するのみとして、少数に絞ったそうです。また、ツアーのアイデアは、2年前に東京モーターショーで実施された日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)のツアーが発端にあったとも。自動車メーカーやサプライヤーなどの業界内に向いた展示ではなく、広く一般の人が来場しても楽しめる工夫のひとつとして、ジャーナリストなどによるガイドというプランが試されたのです。
これまでの展示会ではガイド付きのツアーは、ほとんど存在しませんでした。しかし、東京モーターショーや今回の「人とくるまのテクノロジー展」などで、少しずつ導入が始まっています。まだ珍しいものですが、将来は展示会のガイドツアーが当たり前のものになるかもしれませんね。
<鈴木ケンイチ>
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