民主党の山形県連が、山形新聞社に対して報道が「不公平」だとする抗議文を出していたことが分かった。参議院選挙の応援弁士についての記事などが「均衡を欠いている」と主張。一方の山形新聞社はこれに反論、「抗議を受ける理由はない」としている。

   抗議文は2010年7月23日に、山形新聞社に届いた。民主党山形県連会長の和嶋未希衆院議員によると、和嶋議員名義で、同社寒河江浩二常務取締役編集局長宛てに送られたという。

「他党の応援弁士も均等に載せるべき」

   民主党は文書の中で山形新聞の2つの記事に抗議。1つは、参院選挙期間中の7日付け夕刊1面に掲載された自民党・小泉進次郎衆院議員来県の記事。応援演説をする小泉議員を取り上げた記事で、聴衆に囲まれる小泉議員の写真も付いている。民主党にも応援演説に訪れた議員がいたものの、同様の扱いが無かったので均衡を欠いているとしている。

   2つめが、15日付け夕刊に掲載された「直言 民主が狙う『国家解体』 選挙で隠した危険法案」という寄稿記事だ。上智大学名誉教授の渡部昇一氏の記事で、外国人の地方参政権、夫婦別姓制度、人権侵害救済法案の3つを、「国家の解体を促進する法案」として紹介している。和嶋議員は、

「寄稿の主旨は理解しているが、過激すぎる。夫婦別姓など、国民的な議論が起きていることは知っている。だからこそ、多様な意見を掲載するべきなのに、これと相対する意見が見あたらない」

と主張。紙面の均衡にも配慮するのが「公平公正な報道ではないでしょうか」とする。7日付け小泉議員の記事についても「公平ということなら、人気があるとかではなく、他党の応援弁士も均等に載せるべき」としている。

「正確・公正をモットーに紙面づくりをしている」

   民主党山形県連は、7月17日の常任幹事会で、山形新聞に公平な報道を求める抗議文を送ることを決定。同日、記者会見でも発表したという。山形新聞はJ-CASTニュースの取材に対して、

「正確・公正をモットーに紙面づくりをしており、今回も偏った報道はしていないので、抗議を受ける理由はない」

とファックスで回答。公選法を順守して選挙報道紙面を作っているとし、今後の編集方針についても「変化はない」としている。同紙は、発行部数約21万部。県内では50%以上のシェアを誇っている。

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