――アクションシーンも本格的でしたが、体力作りは大変でしたか?

石黒:監督に、撮影前に「体力だけはしっかりつけてこい」と念押しされていたので、3ヶ月ジムに通って体力作りをしました。実際の現場では、さらに気力が必要とされて、タイトなスケジュールの中でミスをしないよう、気合が入りました。内側からくる“情熱”を出せという監督の高い要求に応えられるよう、必死でした。

――CGを用いた戦闘シーンでは、本当にそこに敵がいない分、想像力が必要とされたのでは?

石黒:ここまで作りこんだCGの撮影は初めてだったので、不慣れな分苦労しました。ある程度は、CG技術のスタッフの方々が処理してくれますが、今見直したら「やり直したい」と思う部分が出てくると思いますね。

――韓国の釜山国際映画祭では、石黒さんも舞台挨拶をされていましたが、観客の反応はいかがでしたか?

石黒:みんな暖かい人たちでした。お酒飲んでるんじゃないかってくらいテンション高いし、自由なんです。日本だと舞台挨拶とかって、座席に大人しくいる人が多いですよね。でも、韓国のお客さん達は身を乗り出して質問してきたり、逆に全く聞かないで携帯をいじっていたり、自由な姿を見ていると、僕も構えることなく話すことが出来ました。

――石黒さんが個人的に、映画化して欲しい、または実写化した際に出演してみたいコミックはありますか?

石黒:よくぞ聞いてくれました! 本当にこの質問を待っていました。スピリッツで連載している「RAINBOW-二舎六房の七人-」です。終戦後あたりの日本を描いていて、命の尊さ、友情、愛情の一つ一つが熱く描かれているんです。登場人物が7人いて、全員格好良いのですが、特に主人公の“マリオ”が好きです。

――では、もし映画化したらその“マリオ”を演じたい?

石黒:絶対、絶対に演じたいです! ここ、強調でお願いします(笑)。先日、ケン役の弓削智久さんにお世辞とは思いますが、「マリオっぽい」って言われて嬉しかったですね。もし、実写化する際は命がけでオーディションを受けます。

――熱い想いがこちらまで伝わってきました(笑)。2009年は、「激情版 エリートヤンキー三郎」、「ごくせん THE MOVIE」、「携帯彼氏」と大活躍でしたね。今後挑戦してみたい役はどんなものですか?

石黒:今までは高校生、後輩キャラの役が多かったので、年齢を重ねるにつれ先輩キャラを演じていけたらなと思います。自分の中の新しい自分には、まだ気付けていない部分もありますので、何事も挑戦だと考えていますし、「彼岸島」に出演してアクションにもすごく興味が沸きました。

――憧れの役者さんはいますか?

石黒:小学生の時に観た、「アルマゲドン」ですごく映画や演技に興味を持ったので、ブルース・ウィリスさんが演じた“ハリー”という役には影響を受けました。人間としての深みを得たいと思いますし、役に負けないよう、僕自身がもっと成長していきたいと思います。

――では、最後にこれから映画をご覧になる方にメッセージをお願いします。

石黒:ハラハラドキドキする映画です。普段の生活が物足りないと感じている人には、良い刺激になると思いますし、兄弟の絆、好きな人に対する気持ちには共感していただけると思います。後、ビックリするシーンが多いので、カップルで観たらもっと親密になれるかもしれませんよ(笑)。

「彼岸島」ストーリー

高校生の明(石黒英雄)は、行方不明の兄・篤(渡辺大)が、彼岸島と呼ばれる孤島に生存していることを知る。兄を探し出すため、謎の美女・冷(水川あさみ)に導かれるまま、仲間たちと島に上陸する。しかし、そこは、吸血鬼と化した住人たちに支配されていた。逃げ道を絶たれた明たちに次々と襲ってくる吸血鬼たち。島を支配する謎の男・雅(山本耕史)の存在。絶体絶命の極限下で試される友情、そして裏切り。果たして明たちは篤を見つけだし、この島から脱出することができるのか!?

彼岸島 - 作品情報