釜山実弾射撃場

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釜山の実弾射撃場で14日午後、10人の死亡者と6人の重傷者を出す火災事故が発生した。現在は事故原因について注目が集まっているが、韓国の警察は未だ明確に断定できずにいる。

韓国には外国人観光客を対象とした室内実弾射撃場が少なくともソウルに3カ所、釜山に4カ所ほどあり、パスポートさえあれば気軽に楽しめるとして人気を呼んでいる。特に日本人男性から人気があり、記者がソウルにある実弾射撃場を訪れた時もそのほとんどが日本人(30〜50代の男性)であった。流暢な日本語を話す韓国人スタッフが、拳銃ひとつひとつの特徴から使い方まで丁寧に説明をしてくれ、1回あたり7万ウォン(約5500円)と多少高価なものの、貴重な体験ができるからと足を運ぶ人は多い。今回事故が起こった「ガナダラ実弾射撃場」も、客のほとんどは日本人であったという。

「ガナダラ実弾射撃場」の実弾射撃場は、全体面積が277.43平方メートル、5つの射撃台が設置され、14丁の拳銃(9ミリ5丁、22口径2丁、38口径3丁、44口径1丁、45口径2丁など)と、実弾1万7千928発を保有していた。

射撃場の消防点検を担当していたある消防士は、「火災が起きた射撃場は室内の構造が複雑になっており、死亡した7人が発見された休憩室から出口までは10メートルほどしかないが、わずか30分の間に16名という死傷者が出た」と話しており、急激に広まった炎と煙で出口への道が見つからず被害が拡大したものと見られている。

ネットユーザーの「オキドキ」は、「火災に備えた安全対策がひどい状態だったことが分かった。関連業界には不燃性素材の使用や、非常口の確保などを義務化させる必要があるだろうし、射撃場前の道が狭くて消防車が進入できなかった問題なども解決しなければならない。事故が起きる前に安全対策が十分にとられるよう法の整備が必要だ」(要約)と述べている。

YTNニュースによると、韓国の警察は射撃場に設置してあった8台の監視カメラを分析したところ、日本人観光客が韓国人ガイドと共に射撃場に入るところや、銃を撃つ場面が写し出されていたという。しかし、火災が起こる3分前には画面が消え、また事故発生のカギをにぎる監視カメラが始めから作動していなかったことなどから、このことに対する原因究明が重要な糸口になると見ているという。

今後、事故の収拾に向けて日韓が合同で行っていくという。早急な事故原因の究明がなされることを期待したい。

参照:YTNニュース
参照:事件について掲載しているブログ

(文:林 由美)

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