企業の販売促進策として、商品の無料配付が盛んに行われている。最近の傾向は少量サンプルの「試供品」ではなく、商品現物を配付する太っ腹な企画が目につく。そんなんで採算会うの?と思う方も多いだろう。そこで、無料配付の成功の秘訣を考えてみたい。

今日、9月18日、東京・渋谷で過去最大の無料配布イベント『9.18 HAPPY BIRTHDAY カップヌードル in SHIBUYA 2009』を開催する。『カップヌードル』誕生38周年・シリーズ統計で約280億食販売の記念として、『カップヌードル』『カップヌードル シーフードヌードル』『カップヌードル カレー』の3種類各1万個、計3万個が無料配付されるという。
3万個という太っ腹な数字に目を奪われがちだが、38周年、280億食というちょっと中途半端な数字が気にならないだろうか。なんで40周年とか300億食じゃないの?と。
同社の狙いは比較的わかりやすい。同社は「新・うまい! カップヌードル」をコンセプトに上記3製品の具材を改良している。つまり、無料配付イベントは、大規模な試食キャンペーンであるのだ。ことにカップ麺は大手流通グループのプライベートブランド(PB)商品の攻勢によって、食品メーカーのナショナルブランド(NB)商品をしばらく口にしていない消費者も増えていることから、是非とも改良した味を試させて、顧客を奪還したいという狙いが隠されていると推測できるのである。

1万個配付といえば、今夏、7月23日に六本木で行われた、イオンのPB商品の第3のビール「トップバリュ 麦の薫り」の無料配付が記憶に新しい。350ミリリットル缶100円、500ミリリットル缶145円という価格、しかもサントリーが生産するその商品の味はNB品に全く遜色がないとしてビール業界に激震を走らせた。

続きはこちら