全国各都市の美少女を集める。美容師がスタイリングし、プロのカメラマンが撮影する。地元の名所で、思いっきりカッコよく撮った写真で構成する。配布と同時に品切れとなる幻のフリーペーパー『美少女図鑑』は、必ず成功する。

Just a Simple, But Very Cool


その街に住む「普通の女の子たち」をモデルに、誰もが見覚えのある「そのエリアの街並み」をロケーションとして撮影するファッション誌。これが『美少女図鑑』のコンセプトである。


制作を支えているのは、自分の作品発表の場を求めているクリエイターたちだ。おそらく新進気鋭のカメラマン、デザイナーが参加しているのだろう。彼らにとっては、自分の力を見てみらえる格好の場を与えられることになる。


美少女図鑑のサイトには「作品を発表するクリエイタ−達による出資で運営されているのも特徴。その趣旨に賛同し、「撮影地協力」「衣裳協力」などのご協力をして頂ける企業に支えられ」とある。企業サイドが協力する意味もよくわかる。というか、金を払ってでも協力したい企業が出てくるはずだ。


はじめにビジョンありき


『美少女図鑑』というタイトルも素晴らしい。一見、際もの的要素もないわけではない。が、何ともそそられるではないか。しかし、表紙を見ればすぐにわかるように、実際はすごくきれいなビジュアル誌だ。だから、これを手にとっていくのは男性より女性の方が多い。オシャレな女の子をがちっと掴んでいるのだろう。


その背景には、きちんとしたビジョンがあるのだと推察する。それは『地元の良さを地元に知らしめる』こと。これを制作元の株式会社テクスファームでは「新潟の街に美少女を増やそう」と表現している。ここで注目すべきは、これを東京にもって行って売ってやろう、じゃないことだ。『美少女図鑑』は、あくまでも地元にこだわるのである。


明確なビジョンが共感を呼ぶ



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