【潜入】清水海上保安部を特別取材!静岡の海の守護者…巡視船「おきつ」から潜水訓練まで最前線にフォーカス
これは、清水海上保安部に所属する巡視船「おきつ」です。夏に多発する海の事故では救助活動にあたるほか、普段から海の安全を守るため、さまざまな任務を担っています。今回、普段は入ることができない船内を特別に取材させてもらいました。静岡の海を守る精鋭たちの知られざる最前線の現場とは?
夏休み真っただ中の8月11日、「山の日」で祝日ということもあり、静岡・下田市の白浜大浜海水浴場には多くの人の姿が…。
「(ことしの海水浴は)自分はもう20回くらい。サーフィンできるようになりたいです」(Q.海は好きですか?)「大好きです」(Q.どうですか伊豆の海は?)「最高です」
夏の思い出づくりに、子どもから大人まで楽しい海ですが、その一方で気をつけなければならないのが…。
水の事故です。
8月9日には、牧之原市の静波海水浴場でベトナム国籍の19歳の男性が溺れ死亡したほか、今週10日・月曜日にも下田市の海水浴場の近くで海に飛び込んだ人が行方不明になるなど事故が相次いでいて、静岡県は12日、2026年初めての水難事故多発警報を発表しました。
こうした水の事故にいち早く対応するのが海上保安部です。
時には水中に潜って、任務をこなし
(漁船員)
Q.救命胴衣は前から閉めてください
「暑いんだよ…」
時には船に乗り海のパトロールも。
そんな、知られざる海上保安部の仕事にカメラが密着しました。
(高山 基彦 アナウンサー)
「こちらが清水海上保安部の船です。大きいですね」
清水海上保安部の巡視船「おきつ」。全長56メートル。2011年に清水に配属されました。
(清水海上保安部 西村正之さん)
「お願いします」
今回、この船の中を、特別に取材させてもらいました。さっそく中へ入ると…。
(高山 基彦 アナウンサー)
「西村さん、これドラマで見たことありますよ。潜水スーツ…ですか」
(清水海上保安部 西村正之さん)
「そうです。本船は海難救助に特化した居住に特化した潜水士が乗船しております。このような形で資機材1つ1つ丁寧に保管されております。こっちにもあるんですね、そういった機材が」
(清水海上保安部 西村正之さん)
Q.常に何人くらいの方が乗船しているんですか?
「本船は定員25人で運航しております」
静岡市清水区にある清水海上保安部。約50人の職員が在籍していますが、その半数はこの船の中が職場。
それぞれ航海科・機関科・通信科・主計科と4つの科に分けられています。ここではどのような仕事をしているのでしょうか。船の2階にあったのは…。
(清水海上保安部 西村正之さん)
Q.こちらの場所はどんな場所になるんですか?
「こちらはOICルームといいまして、何か事件・事故が発生した時に打ち合わせをしたり、今後の方針を立てる場所になります。船でいうとこの“指揮所”にあたります」
ここには、日ごろから「通信科」が常駐。無線機で情報収集を行いその情報を整理して船を動かす準備をするといいます。
(清水海上保安部 西村正之さん)
「他の船舶と、地上の局と通信とかできたりします」
Q.これがないと成り立たない?
「成り立たないことになります」
さらに奥には…。
(高山 基彦 アナウンサー)
「…これどういったスペースになるんですか?」
(清水海上保安部 西村正之さん)
「こちらは船橋と言いまして、船を実際に動かす場所になります」
水難事故の件数は2025年、全国で約1400件。このうち静岡県内での事故は48件で、死者は21人となっています。
1分1秒でも、早く現場に行くため、船橋には、水難事故などが起きた際に遭難者の位置を素早く特定するための機器が備えられています。
(清水海上保安部 西村正之さん)
「船の方から電波を発して物標に当たった電波を受信して、このようなエコーとして画面に映せるような形になっております」
この場を担当するのが「航海科」と「機関科」。それぞれ役割を分担し、船を動かしているのです。
(機関長)
「普段は事案があった場合にすぐに出航できるように、航海科であれば航海の整備したり、機関科であればエンジンを整備したり事案があったときに出航できるように備えている」(Q.他の仕事をしながら、何かあれば駆け付けると)「その通りです」
航海科であれば…。船の碇を落として固定したり、船を真っ白に整備。
機関科は船のエンジンまわりの整備がメインの仕事です。
各地に拠点を置く海上保安部。清水海上保安部は、東は沼津から西は浜松までの範囲をカバーしていますが、時に、その範囲外に行くことも。その最大の理由が…。
静岡県内で唯一、潜水士が在籍しているのです。“海猿”として広く知られていますが、その数は、全国の海上保安官約1万4000人のうち、わずか1パーセントの137人しかいません。県内には下田にも海上保安部がありますが、潜水士はいないため、必要があれば、清水から出動することになるのです。
現在、清水では5人の海猿が船に乗っています。この日は、熱海市の海で、沈んだ船を捜索する訓練です。
潜水士は水深40メートルまでもぐることができますが水圧も高くなるため、日頃から深くまで潜りそれに耐えられるように練習しているのです。
沖にでて訓練することもあれば…。
海上保安部の近くで訓練をすることも。人が海に流された想定で2人が潜水して捜索します…明かりを照らしながら暗い海底に向かい…。合図を送りながら行動。
潜水士は基本は複数人で行動し海の中で連携をとりながら、任務にあたります。そして、沈んでいたマネキンを発見し、急いで陸へ。2人があ・うんの呼吸で動き、無事救助を終えました。続いて行ったのは…。
ロープを渡る訓練。
実際に遭難した船に乗り移り助けに行くこともあるといいます。そして、あっという間に船にたどり着くと…休む間もなく…。
今度はロープを垂直に登ります。日ごろから厳しい訓練に励む潜水士でも…。
(保安官・潜水士)
「きつかったです。まだまだ鍛錬が足りないから頑張ります」
ちなみに、海猿はどの科に所属していても、試験を通過できればなることができるそうです。
もちろん、海の安全を守るのは潜水士だけではありません。
(保安官)
「おはようございます。海上保安部です」
普段から海上パトロールも行われています。
(保安官)
「救命胴衣なんですけど前からしめていただいて」
(漁船員)
「暑いんだよ…」
(保安官)
「そうなんですけど…暑いんですけど、ちゃんと閉めていただかないと」
この男性は、ライフジャケットのファスナーが閉まりきっていません。ライフジャケットを着用「する」のと「しない」のとでは、溺れたときの生存率が大きく変わるのです。
(保安官)
「ありがとうございます」
未然に事故を防ぐのも海上保安部の重要な役目です。
一度海に出ると長い勤務になることもある海上保安部。船の最下層にあったのは…。
(清水海上保安部 西村正之さん)
「各船員の部屋ですね」
(高山 基彦 アナウンサー)
「すごい、こんな部屋がいっぱい」
寝泊まりできる場所のほか、風呂場もあります。
そして、1階にあったのが…。
(高山 基彦 アナウンサー)
「いい香りがします」
(清水海上保安部 西村正之さん)
「昼食のマグロカレーを作っております」
船の昼食を作るのは主計科が担当。裏方として、船員たちの胃袋を支えています。
(保安官・主計科)
「カレーのときは食べる量増えるので 10人分くらいは多めに炊いています」
そのお味は。
(高山 基彦 アナウンサー)
「おいしい。食べやすいですね」
船ごとに船員の年齢層が違うため、味付けを濃くしたり薄くしたりと調整しているということです。
(保安官)
「このカレーっを食べたら頑張れそうです」
Q.訓練も頑張れそうですか?
「これ食べて頑張ります」
静岡の海の安全を守る清水海上保安部。いざというときに素早い的確な対応ができるように、きょうも厳しい訓練と準備を重ねています。

