TikTok動画の59%、YouTube動画の21%はAIによる低品質動画

新たな調査により、TikTokで新規ユーザーや子どもに初めて表示される動画の多くがAIによる低品質動画であることが分かりました。特に「子ども」「科学・教育」「健康」カテゴリーはAIコンテンツであふれているとのことです。
The TikTok AI Slop Report
https://www.kapwing.com/resources/the-tiktok-ai-slop-report/

Nearly 60% of TikTok videos shown to new users are AI slop, study finds
動画編集プラットフォームのKapwingは20の人気カテゴリーにわたる1万0742本のTikTok動画を分析し、さらに新規アカウントの「おすすめ(For You)」ページに最初に表示された500本の動画を個別に調査しました。その500本のうち、294本(59%)がAIによる低品質動画と分類されました。YouTubeはTikTokに比べて控えめで、「Shorts」で新規ユーザーに表示される最初の500本のうちAIによる低品質動画は104本(21%)でした。

TikTokで低品質動画の密度が圧倒的に高かったカテゴリーは「子ども(57.4%)」でした。科学・教育(35.%)、健康(33.8%)、歴史(33.5%)がそれに続き、上位9つのカテゴリーでは10本に1本以上がAIによる低品質な動画でした。一方でフィットネス(1.6%)、音楽(1.5%)、ファッション(1.3%)はほぼ全て人間が作成したものでした。

シカゴ大学小児科教授のダナ・サスキンド博士は「これは、子ども向けのAIによる誤情報が産業規模で拡散されているようなものだと考えています。発達途上の脳にとって非常に危険です。あらゆる経験は無数の新たな神経結合を生み出します。視聴者は意図せずして、脳を誤った方向に配線してしまうでしょう」と述べました。
TikTokもこの問題を認識していないわけではありません。同社は2025年11月、フィード内のAI生成コンテンツの表示量を増減できる機能を導入し、AIリテラシー向上の取り組みにも投資しています。しかし、Kapwingはそのような受動的な設定だけでは不十分だと主張しており、実際のデータも新規ユーザーに届くAIの量が全く減少していないことを示しています。
さらにTikTokは子ども向けコンテンツの取り扱いを巡って法的圧力にも直面しています。2026年6月にはフロリダ州が子ども向けソーシャルメディア法に基づきTikTokを提訴し、子どもたちがTikTokでどんな動画を見ることになるかについて親を誤解させたと主張しました。
Kapwingは「質の低いコンテンツは今後も質の低いままであり続ける可能性が高く、人間が時間と監督を惜しんでビデオ制作という大変な作業を機械に委託し続ける限り、子どもたちは有害なAIコンテンツに遭遇し続けることになるでしょう」と述べました。
