学生時代の国民年金「約40万円」を追納しても、将来の年金は月「3000円ほど」しか増えないって本当!? 社会人になったばかりで余裕がないのですが、追納するメリットはあるのでしょうか?

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大学生や専門学校生だった頃に「学生納付特例制度」を利用し、国民年金保険料の支払いを猶予してもらった人もいるかもしれません。その後、社会人になって年金事務所から追納の案内が届き、「約40万円払うのに将来増える年金は月3000円程度」と聞くと、本当に払う意味があるのか疑問に感じる人もいるでしょう。   特に就職したばかりの時期は、家賃生活費、奨学金の返済などで家計に余裕がないケースも多くあります。そこで今回は、学生納付特例制度の仕組みや追納によってどれくらい年金が増えるのか、そして追納するメリットについて分かりやすく解説します。

学生納付特例制度とは? 追納しないと年金額には反映されない

日本国内に住む20歳以上の人は、 原則として国民年金保険料を納める義務があります。しかし学生の場合は、本人の所得が一定以下であれば「学生納付特例制度」を利用でき、在学中の保険料の支払いが猶予されます。
日本年金機構によると、この制度を利用した期間は将来の老齢基礎年金を受け取るために必要な受給資格期間には含まれます。
ただし注意したいのは、学生納付特例を受けた期間は、そのままでは年金額の計算対象にならない点です。つまり、受給資格は確保できても、老後にもらう年金額は増えません。
そこで設けられているのが「追納制度」です。学生納付特例の承認を受けた期間については、承認から10年以内であれば後から保険料を納めることができます。追納した期間は通常の納付期間として扱われるため、その分だけ将来の年金額が増える仕組みです。

「約40万円払って月3000円増」は本当なのか

学生時代の2年間分の国民年金保険料を追納すると、時期にもよりますが、おおむね40万円前後の負担になるケースがあります。
一方、日本年金機構は「学生納付特例や納付猶予の期間を1年分追納すると、老後の年金額が年間で約2万円増える」と説明しています。
仮に2年分を追納した場合、将来の年金額は年間約4万円増える計算になります。これを月額にすると約3300円です。そのため、「40万円ほど支払っても増える年金は月3000円程度」という話は、おおむね事実といえるでしょう。
この数字だけを見ると損に感じるかもしれません。しかし年金は毎月受け取るものであり、長生きするほど受取総額は増えていきます。
例えば65歳から85歳まで20年間受け取るとすると、年間4万円増えた場合の受取総額は約80万円です。90歳まで25年間受け取れば約100万円になります。もちろん将来の制度改正などの影響はありますが、単純計算では支払った保険料を上回る可能性があります。

社会人になったばかりなら無理に追納する必要はない?

追納にはメリットがありますが、社会人になったばかりで生活に余裕がない場合は無理をする必要はありません。
日本年金機構も、学生納付特例の承認期間は10年以内であれば追納できるとしています。
例えば23歳で就職した人であれば、学生時代の保険料について30歳前後まで追納できる可能性があります。そのため、まずは生活基盤を整え、貯蓄を確保してから追納を検討する方法もあります。
一方で、あまり先延ばしにしすぎると注意が必要です。学生納付特例を受けた翌年度から数えて3年度目以降に追納する場合は、当時の保険料に加算額が上乗せされます。つまり後になるほど支払額が増える可能性があります。
また、追納した保険料は社会保険料控除の対象です。所得税や住民税の負担軽減につながるため、収入が増えてきたタイミングで追納すると節税効果も期待できます。
そのため、「生活費が苦しいのに無理して追納する」のではなく、「収入が安定してきたら早めに追納する」という考え方が現実的でしょう。

追納するかどうかは家計とのバランスで判断しよう

学生納付特例制度は、学生が保険料を支払えないことで将来の年金受給権を失わないよう設けられた制度です。承認期間は受給資格期間として認められますが、そのままでは年金額に反映されません。将来の年金を増やしたい場合は、10年以内に追納する必要があります。
確かに、約40万円を支払って増える年金額は月3000円程度の可能性があります。しかし年金は生涯にわたって受け取るものであり、長期間受給すれば支払額以上の恩恵を受けられる可能性もあります。さらに社会保険料控除による節税効果も期待できます。
ただし、社会人になったばかりで生活に余裕がない場合は、まず家計を安定させることが大切です。追納期限には比較的余裕があるため、貯蓄や生活費とのバランスを見ながら、自分に合ったタイミングで検討するとよいでしょう。
 

出典

日本年金機構 国民年金保険料の学生納付特例制度
日本年金機構 国民年金保険料の追納制度
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー