ドメネク監督はこの試合、4-3-3のシステムを採用した。GKクペ、DFサニョル、テュラム、ギャラス、アビダル、MFマケレレ、トゥーララン、ラサナ・ディアラ、FWゴブー、マルダ、アネルカで臨んだ。中盤3人のシステムは、ドメネク監督になってからはわずか3試合目。アネルカが先発で起用されたのは、2001年のコンフェデ杯・日本戦以来。ドメネク監督は、MFの3人目を、ともに初選出のディアラ(チェルシー)とディアビ(アーセナル)のどちらにするかで迷ったが、結局マケレレとチェルシーでプレーするディアラを選んだ。

 試合は、序盤からフランスがボールを支配したものの、攻撃陣のコンビネーションがいまひとつ。相手ゴールを決定的に脅かすシーンはほとんど作り出せなかった。唯一の得点(後半17分)も、相手ディフェンスをドリブルでかわし、いい角度のシュートを放ったアネルカの個人技によるものだった。逆に1点リードされたリトアニアの猛攻で、終盤にヒヤリとさせられる場面が続いた。

 試合後、各メディアの寸評は「アネルカがフランスを救った」という論調がほとんど。アネルカは不在のアンリに代わるストライカーとして存在を十分にアピールしたが、攻撃の展開に不安を残したフランスは、4日後のオーストリア戦(親善試合)で、別のシステムを試すべきかも知れない。

 今回注目された5人の新メンバーのうちでは、先発のディアラがいい働きをした。そのほかはディアビが試合終了直前に投入されたのみ。ベンゼマはリストから外れ、ナスリとピキオンヌは出番がなかった。とくにナスリには、リトアニア戦でのフラストレーションを払拭する期待が高まると見られる。

 フランスはこの辛勝で、B組2位の座をキープした。勝ち点で並ぶスコットランドはフランスとの第1戦に勝っているために首位。フランスの後ろには、ウクライナとイタリアが控えており、今後も油断はならない。