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大分県別府市のホテルで6月、障がい者アートのギャラリーがオープンしました。開設までの歩みと、2人のアーティストの魅力に迫ります。

【写真を見る】障がい者アーティストが描く希望のかたち 新たなギャラリー誕生、できないを“できる”に変える

別府市在住のイラストレーター秦ひとみさん、作家名は「こっちゃん」。自宅で作品制作に没頭するこの日は、一緒に暮らすペットのネコを描きます。最初に塗る色は黄色、その上に赤や青を重ねて「虹色」に変わり、柔らかい色あいが彼女の絵の特徴です。

こっちゃん:
「統合失調症の病気で荒れていたとき、どしゃ降りの雨と例えているんです。それが後々いろんな人に助けてもらい、価値観や思いに触れ合うことで虹色の魔法に変わっていきました」

こっちゃんは、美術を学んでいた高校2年生の時に体調を崩し、統合失調症と診断されました。今も病気と向き合いながらイベントやSNSなどで活動しています。

イラストレーターとして本格的に活動し始めて4年目のこっちゃん。6月5日、彼女の創作活動に新たな展開が訪れました。

別府市の「ホテル白菊」に障がい者アートギャラリーがオープン。作者の経済的対価や活動の発信場所になってほしいと、使われていなかったホテルのレストランがギャラリーとして生まれ変わりました。

ホテル白菊 西田陽一社長:
「感動して取り組みに協力させてくださいというお客様が多くて、それだけ価値のある作品で私どももうれしく思っています」

ギャラリーでは作品やグッズをその場で購入できます。別府市では障害がある人もない人も安心して暮らすための条例を制定していて、このギャラリーは市が目指すまちづくりの一端を担っています。

別府市 長野恭紘市長:
「障がいのある皆さんが経済的に自立し、親亡き後問題に対しての具体的な解決策になるという意味でも、意義のある取り組みだと思います」

こっちゃん:
「障がいがあることで『できない』ことが、いろんな人のおかげで『できる』に変わっているので、大分をもっと盛り上げていきたいです」

今回のギャラリーにはもう1人のアーティスト、藤井あいさんが出品しています。

藤井あいさん:
「喜んでもらえてすごくうれしかった。カバンを作ることを頑張ろうと思いました」

あいさんは、小物を手がけ、牛乳や豆乳などの紙パックを素材にしています。あいさんは、生まれつき難病のクルーゾン症候群に伴う障害があります。

幼いころから手先が器用で、支援学校の先生の勧めをきっかけに、これまでの2年間でポーチやカバンなど500個の作品を作りました。

紙パックを活かした彼女の作品名は「AIPACK(アイパック)」。販売のための最終チェックは母・未希さんが行います。

母・未希さん:
「自立という意味ですごく不安もありましたが、本人の得意なことを活かせて生活ができればいいなと」

丈夫な生地ときれいな仕上がりの作品。ギャラリー来場者の注目を集め、今では県外にも販路が広がっています。

藤井あいさん:
「縫ったりすることが楽しい。どれぐらい売れるかはわからないけど、丁寧に作る感じで、曲がらないように気をつけたいと思っています」

ぬくもりを届けてくれる2人の作品。アートギャラリーの輪は別府市の旅館やホテルをはじめ、街全体に広がっていきそうです。