トヨタが公開したジョビー・アビエーションの「空飛ぶクルマ」(2日午後、静岡県裾野市で)=杉本要撮影

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 トヨタ自動車は2日、出資する米新興企業「ジョビー・アビエーション」が開発する「空飛ぶクルマ」が国内での初飛行に成功したと発表した。

 2025年にも中東などで商業運航を始める計画で、大阪・関西万博でのデモ飛行も目指す。

 国内初飛行は10月末、静岡県裾野市のトヨタ東富士研究所を拠点に行った。この日は、同研究所で報道陣に試験機を披露した。

 機体は全長約6メートル、全幅約12メートルで、定員は乗員・乗客で計5人。上空500メートルを飛ぶ時の地上騒音は45デシベルで、車(70デシベル)や人の会話(60デシベル)などより静かだという。日米欧などの航空当局から商業運航に必要な「型式証明」の取得作業を進めている。

 トヨタは創業者の豊田喜一郎氏が1943年にヘリコプターの試作機を作った経緯があり、空の移動手段を「創業以来の夢」と位置付ける。これまで合計約9億ドル(約1300億円)をジョビーに出資し、役員や技術者ら数十人を派遣して開発を支援してきた。

 トヨタの豊田章男会長は式典で、機体に使うプロペラの羽根を手にした。「東京都心から東富士まで25分で来ることができ、生活が変わる」と期待を語った。