アーセナルU18のウィルシャー監督、ノリッジでトップチームの指導者キャリアをスタートか

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 元イングランド代表MFジャック・ウィルシャー氏が、ノリッジのコーチングスタッフに就任する可能性があるようだ。イギリスメディア『アスレティック』が17日に報じた。

 現在32歳のウィルシャー氏は、現役時代にアーセナルを中心に活躍。クラブ史上最年少となる16歳と256日でプレミアリーグデビューを飾り、2012−13シーズンからは背番号「10」を託された。イングランド代表としても18歳でデビューを飾り、FIFAワールドカップブラジル2014やEURO2016に出場。小柄ながら球際に強く、一級品のテクニックと戦術理解度を持ち、将来を嘱望される存在だった。だが、ピッチに立てば輝きを放つ一方で、度重なる負傷に悩まされ、“ガラスの天才”と称されることもしばしば。最終的にアーセナルでは公式戦通算197試合出場14ゴール27アシストという成績を残し、2018年夏に退団すると、以降はウェストハム、ボーンマス、そしてデンマーク・スーペルリーガ(1部)のオーフスを渡り歩き、2022年7月に30歳の若さで現役引退を発表していた。

 現役引退の直後からは、古巣のアーセナルで指導者キャリアの第一歩をスタート。オーフス加入前にはアーセナルの練習に参加しており、当時は選手としてのコンディション維持が目的ではあったものの、その傍らでミケル・アルテタ監督の下で指導者としての経験も積んでいた。同年夏よりアーセナルのU−18チームで監督を務めると、1年目こそ南地区のリーグ戦で11位に沈んだものの、2年目となった昨季は3位とランクアップさせることに成功。今季のリーグ戦では、ここまで2勝3分と無敗で駆け抜けている。

 そんなウィルシャー氏は、以前からトップチームでの指導を熱望しており、昨年10月にはMLS(メジャーリーグ・サッカー)のコロラド・ラピッズの監督就任が取り沙汰された。当時は面接を受ける段階まで進んだものの、最終的にはアーセナルのU−18チームで指導を続けることを決断していた。

 今回の報道によると、ノリッジがウィルシャー氏をコーチとして迎え入れるべく具体的な動きを見せているという。既に交渉はスタートしており、ウィルシャー氏も同オファーを前向きに検討しているとのこと。就任が決まれば、ウィルシャー氏にとってはトップチームの指導者として新たな第一歩を踏み出すこととなる。

 ノリッジは今夏、デンマーク・スーペルリーガのノアシェランからヨハネス・トルップ監督を招へい。4シーズンぶりのプレミアリーグ復帰に向け、新体制でシーズンをスタートさせた。今季のチャンピオンシップ(イングランド2部)では、ここまで4勝3分2敗を記録し、勝ち点「15」を積み上げて現在は7位につけている。チームは上位争いを狙える位置につけているが、9月に入るとアシスタントコーチを務めていたナルシス・ペラチ氏がクラブを離れ、ストークの新指揮官に就任。同氏の代役として、ウィルシャー氏をリストアップしたようだ。

 果たして、ウィルシャー氏はアーセナルを離れ、ノリッジでトップチームにおける指導者キャリアをスタートさせることとなるのだろうか。今後の動向に注目が集まっている。