[ワシントン 17日 ロイター] - 米司法省は17日、米国とカナダの二重国籍者であるシーク教徒独立運動指導者のグルパトワント・シン・パヌン氏を米ニューヨークで暗殺するように指示したとして、元インド情報当局幹部のビカシュ・ヤダブ被告をニューヨーク南部地区連邦地裁に起訴したと発表した。暗殺は未遂に終わった。

米連邦捜査局(FBI)のレイ長官は「憲法で保証された権利を行使して米国に住んでいる人々に対する暴力行為や、他の報復行為をFBIは許さない」との声明を出した。

インドの関与を調査している同国政府の委員会関係者は15日、米首都ワシントンで米当局者らと会談した。米司法省はインド情報当局がパヌン氏の暗殺計画を指示したと主張しており、米国がインドに対して調査するよう促していた。

一方でカナダは14日、シーク教徒独立指導者だったハーディープ・シン・ニジャール氏がカナダで2023年に殺害されたのはインド当局の仕業だったとして駐カナダのインド外交官の国外追放を決めた。インドはカナダ側の申し立てを否定し、駐インドのカナダ外交官の国外追放を命じた。

インドはシーク教徒独立主義者を「テロリスト」と決めつけ、治安を脅かす存在だとレッテルを貼っている。シーク教徒独立主義者はインドの一部を分離し、「カリスタン」という名の独立国を作ることを求めている。1980年代から90年代にかけての独立運動では数万人が死亡した。