グリズリーズの河村勇輝【写真:ロイター】

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プレシーズンマッチ4試合に出場

 北米プロバスケットボール(NBA)のグリズリーズとキャンプ招待契約にあたる「エグジビット10」契約を結んでいる河村勇輝に対し、米国で称賛が相次いでいる。ここまでプレシーズンマッチ4試合に出場。華麗なノールックパスを連発するなど躍動し、元NBA選手、米記者らを興奮させている。

 身長172センチながら、その存在感は抜群だ。河村は7日(日本時間8日)、敵地マーベリックス戦でプレシーズンマッチながらNBA初出場。すぐさま3ポイントシュート(3P)を沈めるなど9分の出場で5得点、3アシストを記録する上々のスタートを切った。2戦目となった10日(同11日)の本拠地ホーネッツ戦は9分出場で無得点、1アシストと不発。しかし、その後の2試合でしっかりと挽回した。

 12日(同13日)の敵地ブルズ戦では24分のプレータイムを獲得。フィールドゴールは5本中0本に終わったものの、2得点、8アシストをマークした。続く14日(同15日)の敵地ペイサーズ戦も25分出場し、初の2桁となる10得点。ノールックパスを連発し、アシストも7を記録した。ここまで4試合で1試合平均16.9分出場、4.3得点、4.8アシストという数字を残している。

 現地識者の間でも評価は高まっている。グリズリーズの公式メディア「グラインド・シティ・メディア」の解説者マイケル・ウォレス氏は「恐れ知らずで、楽しんでいて、エネルギーにあふれたプレーだ」と絶賛。チームに溶け込もうとするコート内外での姿勢を称えつつ、初戦が終わった時点で「ユウキは間違いなく、メンフィスで驚異的なものになるだろう」と断言していた。

ESPNは河村のノールックパスをNo.1プレーに選出

 同メディアの番組「ジェシカ・ベンソン・ショー」で司会を務めるジェシカ・ベンソンさんも早速河村に魅了された1人。「I love him(彼が大好き)」とすっかり虜になった様子で「彼は周りが見えていてビジョンがある。爆発力もあるわ」とロースター入りを熱望した。さらに、評判は元NBA選手らの間でも広がっている。

 グリズリーズOBで現役時代はオールディフェンシブチームに計6度選出されるなど守備の名手として知られたトニー・アレン氏は同メディアの番組「クリス・バーノン・ショー」に出演。「彼が守備を崩すのに慣れていることは見れば分かるよ」と称賛した。ペイサーズ戦で見せたノールックアシストには「これはクレイジーだ。どうやって見えていたのかすら分からないよ」と驚きの声を上げた。

 さらに「彼がバスケを理解していることは見れば分かる。彼が3番手のポイントガード(PG)でも良いんじゃないか?」とロースター入りに太鼓判。12年間NBAでプレーした身長178センチのPGブレビン・ナイト氏も、自身のポッドキャスト番組の中で「見ていて楽しいよ。サイズはもちろん関係してくるが、彼がコートにいる時は、違いを生み出すことができている」と賛辞を惜しまなかった。

 米スポーツ専門局「ESPN」の専門番組「NBAトゥデイ」は「トップ・オブ・ザ・トップ」と題するコーナーで、ペイサーズ戦の第3クォーター残り5分6秒で見せた河村のノールックパスをこの日のNo.1プレーに選出。スタジオの解説者も「オー! これ見たよ! フー!」と思わず興奮の声を上げるなど、身長差をものともしない超絶美技で米識者たちの心も掴んでいた。

(THE ANSWER編集部)