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食用の油の値上げが止まりません。特に高騰が続いているオリーブオイルは、今後どうなるのでしょうか。

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15日、都内の天ぷら店では、ランチ時、旬の野菜などを揚げる音が店内に響いていました。高温の油で揚げた天ぷらが、どんぶりの中で一つに。店の看板メニューの天丼です。

一杯700円という価格も魅力の一つなのですが、今、ある悩みが。それは…

増田屋 矢部和徳店主
「油がないと商売できない。他の材料があっても商売にならない」

天ぷら店には欠かせない、油の値上がりです。

大手メーカーは10月から、家庭用、業務用共に食用油を値上げすると発表。3社とも、円安や運送費の上昇などを値上げの理由としてあげています。

店で使っているのは1缶6000円ほどの油ですが、約1週間で使い切るといいます。原材料費や光熱費などが上がり続ける中、天丼は今年7月に値上げに踏み切ったばかり。(天丼:以前600円、7月〜700円)。油のさらなる値上げに不安をのぞかせていました。

増田屋 矢部和徳店主
「商売でやっていけなくなったら、値上げしかない。これ以上高くなったら大変です」

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では、家庭用油はいくらになっているのでしょうか? 横浜市のスーパーに聞いてみると…

スーパーセルシオ和田町店・食品バイヤー 久保田浩二さん
「問屋さんもだいぶ在庫を持っているということもある中で、メーカーが発表したからタイムリーで、店舗の方で値上げをする状況ではない」

10月15日時点で価格は据え置き。しかし、今後仕入れ値が上がれば、店頭価格も上げざるを得ないといいます。

価格が高騰する食用油。食卓に欠かせないということで、お客さんから聞かれたのは…

お客さん
「お肉炒めるときに、お肉から脂が出るので(油は使わず)。ただいきなりお肉だけだと焦げちゃうから、水ちょっと入れて焦げつかないようにって感じ」

家庭独自の“油の節約術”です。揚げ物大好きな子どもがいる家庭では、から揚げをつくる際…

お客さん
「(食用油)1本使いたいぐらいだけど、半分にしちゃう」

本当は油をたっぷり使いたいところ、半分ほどの量でガマン。“揚げ焼き”と表現していました。お得な日を狙い撃ちするお客さんも…

お客さん
「安くしたとき、特売の時にしか買わない。(普段は)高いから10本くらい買ってある」

油は全て、特売の日にまとめ買い。「荷物になるので大変」だとも話していますが…

お客さん
「自慢したいの。『これいくらで買ったのよ』って。そういうことない?あるでしょ?」

一方で、回復のきざしが見えてきたのが、オリーブオイルです。

2年ほど前、生産量が世界最大のスペインを襲った大規模な干ばつ。原料となるオリーブが不作となり、オリーブオイルの価格は高騰していました。しかし、アメリカのメディア「ブルームバーグ」などによると、今シーズンはオリーブの生産が5割近く増加し、平年並みの量に回復する見込み。現地では価格も2割ほど下がっているということです。

日清オイリオグループによると、今シーズンのオリーブを使ったオイルを販売するのは、来年の初夏ごろ。為替などの影響を受け、価格が決まるということです。